陸上競技 男子短距離〜観戦記〜

主に男子短距離の観戦記&雑感などを勝手に書いているブログです

オリンピック展望 海外編

100m

ボルトは怪我の具合とスタミナが心配だが、復調してきていると想定するなら優勝候補筆頭か。
動きが噛み合えば問題無い、そしてその準備は出来ている、ロンドンDLはそんな状態だったのではないかと思われた。


対抗馬はやはりガトリン。
ただ今季の出来からすると昨年よりも勝つ可能性は低いか。
昨年並みにスタートで飛び出せていればガトリンを推すかもしれないが、そこまで序盤で優位に立てるとは思えない。

また昨年の直接対決で崩されたことを考えると勝つのはより厳しいだろうか。
ただガトリンもどうしたら勝てるかをこの1年間追求してきてる訳で、ピークも意図的にずらしているかもしれない。
まずは予選では他をこれでもかというほど圧倒するよりも、自身の走りを地盤からしっかりと構築できているかどうかを確認できるかがポイントになりそうな気がする。

他に優勝候補をあげるとしたらブレイク。
正直全盛期並みに戻すのは厳しいと思うが、動きの正確性だけで言えばやはり群を抜いているのではないか。
ボルトと並んだ時に抜け出せるのはガトリンよりもブレイクの方かもしれない。

意外と序盤で抜け出たブロメルがそのまま逃げ切り大波乱の勝利、なんてのもなくはないと思う。
それはそれで面白いが、優勝タイムが9秒7台中盤あたりになると厳しいか。

結局どの選手も決め手はないので、やはりボルトの勝利と予想。
ロンドンDLの走りから100mを推測するのも難しいが、昨年の世界陸上前に「私に勝つには9秒6台が必要」といっていた時と同じ位のレベル想定をしてるのではないかと思うので、条件次第では9秒7台前半あたりまで仕上げてくるかもしれない。

その他注目選手、メダル候補をあげるなら、ビコ、ディグラス、アシュミード、シンビン、てとこか。
抜け出そうなのはシンビン。
パウエルに好記録で勝っているだけに波にのるかもしれない。
ただ本番に強いディグラス、キャリアのあるビコもあなどれない。


200m
こちらも調整が問題なければボルトだろう。
世界記録を目指すというのはリップサービスだと思うが、ロンドンの走りから憶測するなら19秒5以内は可能だと思われる。根拠はないが一気に3台位出すような気もするのだが。

心配なのはスタミナ、そしてレースを積み重ねることでケガしないかどうか。

それにしても3大会連続で100m&200m二冠となると、なんなら自身の世界記録の価値以上のとんでもない偉業だな。

こちらも対抗馬はガトリン。
ただ昨年同様に100mより勝つのは厳しい。しいていうならアウトレーンの方が僅かでも勝つ可能性は上がるかもしれない。

メリットは結局出るのか?
この種目での世界大会のキャリアがないゆえに怖い存在ではあるが、やはりスピード差で劣るか。
また400mの両立問題もある。
それでもメダルの可能性は十分あると思うが。

ブレイクは100mを狙うのでギリギリで、200mまで仕上げるのは難しいのではないかと思う。
しかし100mで感触をつかめばわからない。ハマればやってくれるかも。

その他ウェッブ、アシュミード、エドワード、ジェミリ、ディグラスなど注目選手はいるが、一番注目しているのはミゲール・フランシス。
とんでもないことをしでかしてくれそうな可能性を秘めていると思うが果たして。



400m
やはりファン・ニーケルクが勝つのではないか。

もちろんメリット、ジェームスが勝ってもおかしくない。
特にメリットは200mで結果を出していることからも勝つための対策力を感じる。

ただ、400mの方に今のところそこまで結びついていない。また何よりファン・ニーケルクの方は100mで9秒台を出していて、全てを叩き潰せる用意周到な強さがあるんだな。

ロンドン五輪後の世界大会で勝てていないジェームスがここにきて本来の期待された能力を一気に開花する可能性もあるかもしれないが、いまひとつそれを後押しするものが見当たらない。

ではファン・ニーケルクが絶対かというとそうでもない。
世界チャンピオンとして挑む世界大会はこれが初めてであり、脆い面もあるかもしれない。

ただ、そんな脆さがあるならあんな正確な走りや動きの処理は出来ないのではないか、と思うのが優勝候補にあげる何よりもの理由。

いずれにせよこの三つ巴は他の短距離二種目に比べて勝負という意味ではより興味深い。

可能性は低いかもしれないが世界記録に近づくような昨年以上のハイレベルな争いを期待したい。

〜了〜