陸上競技 男子短距離〜観戦記〜

主に男子短距離の観戦記&雑感などを勝手に書いているブログです

日本選手権2018 予想

ほぼ無難な予想ですが

 

100m ケンブリッジ

200m 飯塚

400m ウォルシュ・ジュリアン

 

でいきたいと思います。

 

 

100m

安定感でいくとやはり山懸選手。

しかも今季は日本選手に完勝しているし、更に調子を上げてくるだろうから間違いなく優勝候補筆頭といえる。

 

ただ調子の上げ幅で考えると、ケンブリッジ選手の可能性も割と高いとみる。

動きが噛み合えば、2年前に勝った日本選手権のような勝負強さを見せ、安定の山懸選手を終盤抜き去るのではないかとと思うので、波はあるが今回はケンブリッジ選手と予想。

 

桐生選手の可能性もあるだろうが、ここまでのレースだけで判断するならやや厳しい戦いになるか。

スロースタート気味で調整しているのだとは思うが、今季のレースにいい感触を得ていないように見える。

走力というか、馬力は1番だと思うので単純に調子を上げてきた段階で上位に入るとは思うが、現段階では大崩れもしないが爆発もしない、そんなレースになるような気がする。

 

多田選手は先日の学生種目別でも振るわず、レース構築にもがいている印象があるので一週間で立て直すのは厳しいだろう。しかし意地を見せるか。

 

他に上位に食い込むとしたら大学ルーキーの宮本選手。

ただアジアジュニアの結果から考えると5〜6番手が妥当なところか。

 

他には小池選手や長田選手、女部田選手も侮れない。

 

なお優勝記録はコンディションがそこそこ良ければ10秒05〜10位になるのではないか。

 

謝震業が9.97をマークしたので奮起して更に好記録が出るかもしれないが。

 

 

200m

飯塚選手はそこそこ差をつけて勝つのではないかと予想。

理由はここまでのレースでかなり動きに余裕があったから。

記録は20秒3台位だろうか。

 

対抗馬はやはり藤光選手。

こちらも一気に調子を上げてくる可能性があると思うが、2015年の時のような大会前の余力は感じない。と、思う。

 

また原選手も上位に食い込むと思われるが、大番狂わせがあるとすれば犬塚選手だろうか。

 

山下選手、井本選手(出場する?)にも注目したいところ。

 

 

それにしても100m、200mとも頂点に君臨するサニブラウン選手がいないのが残念。

世界ジュニアも欠場とのことだが、まあ完治を優先させるのは当然のこと。

 

それでも日本の層の厚さは変わらないが、今年のアジア大会でメダルを取るのはなかなか難しいだろう。

金メダルに至っては世界でファイナルを狙える位の実力でないと難しいと思うが、逆にいうとアジアで頂点を極めることが世界で対等に戦える基準にもなるだろうか。

 

 

400m

あまりレースを見れていないのだが、やはりウォルシュ選手が最も地力があるだろうな。

 

ウォルシュ選手のレースプランが崩れれば静岡国際のように金丸選手あたりが逆転するパターンもあるかもしれない。

 

また若手の台頭にも期待したい。

個人的には北谷選手に期待しているのだが。

 

〜了〜

ダイヤモンドリーグ ストックホルム

100m +2.0m

タフティアン10.07

桐生10.15

スメリー10.17

 

タフティアンは世界室内60mでファイナルに残っているだけに強かった。

体幹が強く、バネもあるのか序盤で抜け出してからも走りは安定していて、他を圧倒した。

強豪と接してもあまり崩れないタイプかもしれない。

 

桐生選手はスタートでもう少しキレのある飛び出しができていなければ、今季のタフティアンには勝つのは難しいだろうか。

可動域も狭く感じるので、その辺り次戦でどこまで修正してこられるか。

しかし少しずつ調子が上がっているようには思う。

また終盤追い込んだスメリーを抑えたことも好材料になるのではないか。

 

 

200m+0.9m

グリエフ19.92

ブラウン20.07

ウェッブ20.41

ミッチェル・ブレイク20.44

マルティナ20.82

ラーソン20.85

ガーディナー23.35

 

オスロに続きグリエフが連勝。

タイムは落としたが、今回の方が余裕があり、いいレースだったのではないか。

また二大会連続の19秒台で、前戦とほとんどタイム差がないところにグリエフの走りの安定感を表しているように思う。

 

反対にブラウンはオスロの時より離されたが、それでも20秒0台と相変わらず調子がいい。

 

ちなみにこの後のオストラバではブラウンが20.05で勝利し、グリエフは20.09で3着、間に20.09でリチャーズが入っており、ここの三つ巴もなかなか見応えがある。

 

なお今期19.75をマークしていたガーディナーはコーナーを抜けたところで脚を痛めたのか失速して最下位。

グリエフにインから迫られたのが影響したのか分からないが、残念な結果に終わった。

 

〜了〜

 

ダイヤモンドリーグ オスロ

200m+1.0m

グリエフ19.90

ブラウン19.98

リチャーズ20.19

ジェミリ20.21

ウェッブ20.45

クゥアルクー20.79

マルティナ20.86

デュークスDQ

 

一気に調子を上げてきたグリエフが優勝。

 

グリエフのコーナリングは体格が大きい割りに、あるいは大きいからか、レーンのかなりインから刻んで大きくアウトへ抜けていくイメージがあるが、身体を預けるのが上手く、それが推進力につながっているように見える。

体重がしっかり乗りつつも沈むことはなく、かといって動きに無理はなくゆとりを持った走りといえるだろうか。

タイプは違うが、飯塚選手が目指していたのもこういうレースプランだったっけか。

さておき、世界チャンピオンらしい見事なレースだった。

 

今期好調のブラウンも19秒台。

ややパワーで押すイメージがあるが、最後の直線はスムーズに脚が運ばれ、接地も軽やかだった。

おそらくこの選手のベストレースではないだろうか。

 

リチャーズは前半やや遅れ、後半も動きが乱れたが、その割りにはまずまずだと思う。

 

ジェミリもまとまっていないが、逆にいうと仕上がれば今期おもしろい存在になりそうだ。

 

 

〜了〜

 

 

 

 

布勢スプリント

100m -0.7m

山懸10.12

飯塚10.21

ケンブリッジ10.21

小池10.24

金10.26

長田10.30

多田10.40

川上10.40

 

山懸選手はスタートで体勢を崩しながらもすぐに立て直して完勝。

よっぽど体幹が強くなったのかパワーを感じるが、かといって動きや反応速度に悪影響はないように見受けられるので、順調にスケールアップしたのではないか。

 

飯塚選手は動きに最も余裕があったように見える。

キレはまだ本来のものではないが、感覚的にはいいものを掴んでいるのではないかと思う。

 

ケンブリッジ選手もリズムは良かったようだが微妙に力みがあるのかな、と思ったらスパイクが部分的に破れたのだとか。

どこまで影響があったかはわからないが、少なからずマイナスではあっただろうな。

 

今季好調の小池選手も三強は崩せなかったが、それ以外には先着して代表争い圏内にいることは証明した。

 

反対に不調の多田選手はなおも不安を残す結果に終わった。

レースパターンを改良しつつもまた元に戻したとの記事を読んだが、かなり乱れてしまっている様子。

 

練習が積めているのかどうかはわからないが、力が入っていかないように見えるのが気になるところ。

日本選手権までにどこまで改善してくるか、楽しみではあるが。

 

 

〜了〜

 

 

ダイヤモンドリーグ ローマ

100m-0.4m

イカー 9.93

ビコ10.02

トォルトゥ10.04

コールマン 10.04

シンビン10.13

ロジャース10.13

ジェイコブス10.19

グリエフ10.19

ヤング10.30

 

イカーが連勝。

ユージーンで感覚を掴み、自信を得たんだろうな。

相変わらず動きが安定していて無理なく主導権を奪えている。

 

対してコールマンは大崩れ。

ユージーンの時以上に動きが制御できず、身体が乗っていかなかった。

 

室内60mの好感触をベイカーはうまく100mのレースに持ち込んだが、コールマンは反対に100mに繋げられず、かえって弊害となっているのか。

 

ビコもまずまずのレース。

まだまだ仕上げてきそうなので今季自己新もあるかもしれない。

 

しかし1番驚いたのはイタリアのトルトゥ。今季好調とはいえ、キャリアから考えてもまだまだなのかと思いきや、堂々の3位。

膝がやや高く上がっているように見えるが、そこから振り下ろすパワーとそのエネルギーを推進力に変えるスピードが群を抜いているということか。

またそのパフォーマンスをこのメンバーに対して発揮できる勝負強さ。

これは楽しみな選手が出てきた。

 

 

400m

カーリー44.33

ハロウン44.37

デデウォ44.58

チェリー44.97

ロバーツ45.22

リー45.49

ハドソン・スミス 45.52

サントス 45.81

 

カーリーは勝ちはしたものの、なんとか逃げ切ったという感じでレースを支配したようには見えなかった。

そういう意味ではハロウンの方が自分のレースをしており、よく追い上げたと思う。ちょっと前半離されすぎた。

 

だが、カーリーも走力があることは改めて証明できたので、レースパターンに磨きをかけてくればもっと凄いレースをするかもしれない。

 

 

 

 

それにしても、幅跳は面白かったですね。

私は密かにマニョンガの世界記録更新を期待しているのですが、ライバルの出現でさらにおもしろくなりました。

 

 

〜了〜

ダイヤモンドリーグ ユージーン

100m +2.4m

イカー 9.78

コールマン 9.84

プレスコッド9.88

蘇9.90

ヤング 9.94

ウジャー 10.12

メイテ10.13

スメリー10.16

 

60mの室内チャンピオンにして世界新をマークしていたコールマンがどんな走りをするか、そこに注目が集まったかと思うが、勝者はベイカーとなった。

 

コールマンはうまくスタートがきれなかったのか、あるいはコールマンに追い上げられる圧力を感じたのか、全体的に動きが大きすぎ、力が分散したように見えた。

 

対照的にベイカーは動きを制御して着実に一歩一歩を刻むことで、最後に抜け出すことができたのではないか。

 

イカーも世界室内ではメダルを取っているので今季は好調なのだろうけども、この勝利は自信になるだろうな。

 

追い参ながら9.90を出した蘇にも注目が集まったが、どちらかというと上海の時の方がいい走りだったのではないかと思う。

 

どちらかというとプレスコッドの追い上げの方が驚いた。

前半遅れながらもベイカーとコールマンの差を最後に大きく縮めたのは見事。

特にコールマンに対しては勝てる感触を得たのではないか。

 

 

200m +2.0m

ライルズ 19.69

リチャーズ20.06

ブラウン 20.07

ジョボドゥワナ 20.42

ミッチェル・ブレイク20.51

ウェッブ20.56

グリエフ20.57

マクワラ DNF

 

好調のライルズが自己新で優勝。

最もブレがなく安定した走りだった。

特にコーナーの加速は無駄がなく滑らかだったように思う。

無理なくコーナリングしながらスピードを得ていく感覚が馴染んでいるのだろうか。

19秒5台は期待したいところ。

 

ライルズが良すぎてリチャーズは影を潜めたが、こちらもこの時期としてはなかなかの好記録だし、パワーで逃げ切りかけたブラウンを捉えるあたりはさすが。

まだまだ調子は上げそうだが、前半離されすぎると厳しいという印象は残った。

 

マクワラは残念。

大外が良くなかったのか力みがあったのかもしれない。

 

 

〜了〜

 

ゴールデングランプリ大阪

100m -0.7m

ガトリン 10.06

山懸 10.13

ヤング 10.13

桐生 10.17

ケンブリッジ10.19

多田 10.32

宮本 10.34

金 10.35

 

ガトリンはこの数日でしっかり調子を上げてきた。

まだまだ本調子には遠いだろうけども、序盤で奪ったリードを出力の差で更に広げる冷静さはさすが。

 

山懸選手は中盤まで勝つのではないかと思うくらいに良かった。まだ調子は上がっていくだろうけども、9秒台は時間の問題か。

またこのレースにおいてはヤングに勝ったことが大きい。

 

桐生選手はやはり先行されるとなかなか巻き返せないが、それでも今回はその中で上手くまとめたのではないかと思う。

加速がうまくいけば昨年以上のパフォーマンスはできそうではある。

 

ケンブリッジ選手も昨年より動きが安定してきたようにみえるが、多田選手は少し心配なところ。

身体が少し小さくなったようにすら思えるが、調整の問題なのか。

 

 

 

200m +0.9m

マクワラ 19.96

謝 20.16

デュークス 20.32

藤光 20.61

カーネス 20.65

原 20.65

山下 20.72

飯塚 20.75

ローソン 21.02

 

マクワラはなんと19秒台をマーク。

スタートは出遅れ、身体の起き上がりも早かったように思えるが、この選手はトップスピードにもっていくのが速いんだろうな。

反面、対応力にはやや課題があるとみているが、この日のマクワラを止めれる選手はいなかった。

 

だが謝も自己新の好レース。

おそらくコーナーを最もスムーズに出れたのではないか。一見横にブレた走りにも見えるが、身体が柔らかく推進力を逃さず、粘りもある。

というかプロセスがしっかりしているから粘れると言うべきか。

将来的には蘇よりも有望な選手かもしれない。

 

日本勢はそれほど差がなかったが、1番丁寧に走れた藤光選手がやや抜けた印象。

飯塚選手はまだレースを構築できていないようだが、調子自体はかなり良さそうに見えた。

 

また原選手は1レーンでなければ日本勢トップだったかもしれない。

 

 

 

なお、今大会はリレーも実施され、日本チームはリオ五輪メンバーで挑むというなかなかな粋な計らい。

そしてそんな日本Aチームが他を寄せ付けずに勝ったが、優勝タイムの37秒85は驚いた。

 

全員よかったと思うが、結果的に1走にガトリンと蘇が入り、山懸選手がそれに対して引けを取らなかったことが基盤となり、そこから飯塚選手が圧倒する流れを確立させたのが大きいのではないかと思う。

 

ちなみにこれは日本チームの国内最高記録となるが、前国内最高記録は同じスタジアムで出された大阪世界陸上決勝時の記録。

 

あれから11年も経つんだな。

 

 

〜了〜