陸上競技 男子短距離〜観戦記〜

主に男子短距離の観戦記&雑感などを勝手に書いているブログです

Rioオリンピック 8

女子短距離とその他のネタをざっくりと。

 

W100m決勝+0.5m

トンプソン 10.71

ボウイ 10.83

フレーザー 10.86

タルー10.86

シパーズ 10.90

アイエ 10.92

ガードナー 10.94

ウィリアムズ 11.80

 

前評判通りトンプソンの圧勝。

一歩一歩の踏み込みが鋭角的で、大きな推進力を生んでいるように見える。

 

踏み込みが鋭すぎて過ぎて上手く回転しないのではないかと思ってしまうが、腰を軸とした前傾ぎみなポジショニングで柔軟に力を吸収し、次のエネルギー放出へつなげているのではないか。

 

更にスタートから抜け出せるだけでなく、強靭なフィジカルでもってして中間あたりまで加速動作を続けられるのも強さの秘訣か。

顔が起き上がった段階でリードしていれば誰も勝てないのでは。

 

そんな中ボウイはよく追い上げたな。

しかもスタート直後、僅かにバランスを崩したようにも見える。

フレーザーとタルーを一気に逆転した回転力は凄いが、トンプソンまでは遠すぎた。

 

フレーザーは三連覇ならず。

スタートでトンプソンの前に出られなかったことで勝負はあった。

またゴール手前で前傾になり過ぎる悪い癖が出てしまったのがボウイにも負けた要因か。

しかしシーズン序盤の状態を考えればよくここまで盛り返したと思う。

また3大会連続のメダル獲得も偉業に違いない。

同じようにスタートから飛び出せるタルーに同タイムながら勝利したその差は僅かながらも大きなものだろう。

 

 

 

200m決勝-0.1m

トンプソン 21.78

シパーズ 21.88

ボウイ 22.15

タルー 22.21

アッシャー・スミス 22.31

アイエ 22.34

スティーブンス 22.65

ラロワ 22.69

 

こちらもトンプソンの圧勝で二冠達成。

100mに比べると少し荒くも見えたが、元々200mが強いことを考えると直線に出てきた段階で勝利はほぼ確実だった。

 

それにしても2年前まで無名の選手が一気にここまで駆け上がるんだからジャマイカは本当に層が厚い。

 

シパーズは全体的に微妙に動きが噛み合っていなかったのではないか。

前半で離され過ぎたようにスピードの差があった。

しかし100m決勝の2人の差を考えればよく追い上げたと思うし、記録もなかなかのもの。

準決勝で先着したことが悪い方向に影響したかもしれないな。

 

ボウイは100mに続いて出遅れたが、同じように猛烈に追い上げてメダル獲得。

前半はもったいないが、加速に乗るとやはり迫力がある。

そしてアメリカの面目を保ったか。

 

タルーは100m、200m共に4位で僅かにメダルに届かず。

しかしこの選手がいたかいなかったかでは展開が異なったのではないかという位にレースに噛み付いたと思う。

 

 

400m決勝

ミラー 49.44

フェリックス 49.51

ジャクソン 49.85

ヘイスティングス 50.34

フランシス 50.41

マクファーソン 50.97

ゼムリャク51.24

グレノット 51.25

 

フェリックスは上手くレースを構築したと思うが、序盤でスピードに乗り切れなかった印象は受ける。というより、そこまでスピード自体が戻らなかったということか。

しかし脚の回転は相変わらず美しく、シーズンベストを出すのはさすが。

出来ることは全て出し切ったのでは。

 

そんなフェリックスに勝ったミラー。

スプリンターとしての厚みで言えばフェリックスにはまだ及ばないと思うが、やはり身体能力が高い。

 

長身でいながら要所要所で動きを自身のスピード感、距離感の中で上手くまとめていて、抜群のタイミングで勝利を決めたスライディングゴールにも天性のセンスを感じる。

 

戦略としてはどうかと思うが、あれだけ目一杯の状況で活路を見出し、それを勝ち取る嗅覚が素晴らしい。

今後は是非とも48秒台を狙って欲しいところ。

 

 

 

 その他雑感。

 

勝手にMVPを決めるなら男子はファン・ニーケルク、女子はアヤナの世界新コンビか。

 

注目度、歴史的な快挙で言えばボルトかもしれないが今大会のパフォーマンスで言えば上記2人ではないか。

 

信じられない光景が一気に訪れてしまい、未だに整理がついていない。

 

他にはクレメントや、バルトレッタの勝利は感慨深いものがあった。

 

あえて感動したなんてなことをいうなら男子走高跳びのドロウインか。

最初の跳躍から王者の貫禄を漂わせ、最後までその威光を保ち魅せてくれた。

 

 

日本勢のMVPを選ぶなら男子は山縣選手、女子は上原選手。

 

男子は 荒井選手や澤野選手とするべきかもしれないが、リレーの快挙の1番の立役者であることを考えてのもの。

 

リレーの1番の立役者というのは、あくまで一つの見方において。

 

今回の快挙は全員が適材適所で力を出し切ったことによるものだが、例えば北京五輪銅メダル獲得時に末續選手がアンカーを務めてもメダルは取れたかもしれないが、朝原氏が2走ならそれは叶わなかったのではないか、といった勝手な推測と同様のもの。

 

今回もあえて決めるならその選手がそこにいることが最も大きな軸になったのではないか、というあくまで仮説。

 

仮説なら荒井選手や澤野選手でもいいのだが、ハイレベルだった個人100mにおける結果も加味して山縣選手というこたとで。

個人種目だけならもちろん荒川選手だな。

 

 

 

 

〜了〜