陸上競技 男子短距離〜観戦記〜

主に男子短距離の観戦記&雑感などを勝手に書いているブログです

Wch北京400m決勝

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なんというレース
痺れました。



400m決勝
1.ファン・ニーケルク43.48
2.メリット43.65
3.ジェームス43.78
4.サントス44.11
5.マクワラ44.63
6.ユセフ44.68
7.セデニオ45.06
8.マスライ45.18


ファン・ニーケルク
応援していましたが、まさかこんな記録を出すとは。
というより、前半から攻めに攻めたことが何より驚きました。

メリットとジェームス相手にいつものようにやや後半型でいくと勝つ可能性は50%だが、攻めて不安要素を埋めることで60%まで上げる、、てなものか。
とばしてもリズムにのる自信があったのだろう。

おそらく大会前から立てていたた戦略ではないだろうか。
そして見事にハマった。

一見すると速くもなく、力強さもない走り。
何故ここまでの結果を出せるのか。

おそらく力んだり無理することなく自身にとってより効率的な動きがナチュラルに出来るのではないだろうか。

どんなレース展開だろうと相手が誰だろうと、コンディションなどの条件がどうであろうとその時々のベストな接地のタイミング、力の入れ方、身体のバランス調整等々、全ての動きを自然に、そしてスムーズに連動させて処理出来るのではないか。

その都度自分の走り・状態を客観的に分析(インプット)し、瞬時に必要な動きをしている(アウトプット)とでもいうのか。


試されていない部分も多く、絶賛し過ぎかもしれない。
が、スタイリッシュで格好いいんだな。

ここで終わることなく来年の五輪制覇、世界新を目指してもらいたい。


メリット
現役ではこの選手を最高のレース巧者だと思っている。
実際に作戦も間違っていなかっただろう。

少し飛ばしすぎたかもしれないが、ライバルのジェームスには勝ち、自己新をマークした。
また今季不調の状態からここまで持ってきたことは凄いことだ。

敗因はなんだろう。

43秒48で走る力はなかったということだけか。



ジェームス
ハイペースに対応したが、メリットと同様のことが言えるか。
だがこちらは上位2人に比べてスピードで劣ることも敗因か。

しかしダイナミックで柔軟な動きはやはり魅力。
これを機に新しい強さを見せてもらいたい。


サントス
さすが五輪メダリスト。
しっかり合わせてきただけでなく自己新もマークした。

ただハイレベル過ぎた。
今回の2位〜4位は各順位の過去最高タイムであったと思うが、このタイムでメダルがとれないのはちょっと気の毒か。

しかしこれだけ速い展開の中、よくレースを見て焦ることなく持ち味を発揮したと思う。



マクワラ
準決勝は本当に素晴らしい走りだった。
正直決勝には進めないのではないかと思っていたが、実力を証明した。

が、そこで終わってしまい決勝では戦えなかった。
今季最高タイムをもって乗り込んだが、
上位4人とは差があった。


マスライ
こちらは予選で想像以上に力を使い過ぎ、準決勝で力を使い果たした。
だが準決勝で敗退したマクドナルドも同様にどんな条件であれ43秒台を出した結果は今後につながるのでは。




〜了〜