日本選手権2018
特に円盤投の三投連続新記録というのは、過去にもないのではないでしょうか。
まだまだ記録を伸ばしてほしいところです。
100m+0.6m
山懸10.05
ケンブリッジ10.14
桐生10.16
小池10.17
多田10.22
長田10.30
竹田10.30
九鬼10.46
準決勝で不安を残した山懸選手だったが、やはり修正力が凄い。
しっかりと状況把握し、課題に対して対策を練り、それを実行できる。
走りにもその着実さが現れているように、完成度の高いレースだった。
ほぼスタートできめたと言っていいくらいに序盤で抜け出すと、あとは貯金を維持して逃げ切った。
少し身体が浮いた部分もあったかもしれないが、無理なく地面に力を伝える動きは正確で、意図した通りに身体を運べたのではないか。
アジア大会で中国勢に勝つにはここからさらに抜け出すことができるかどうかだと思うが、ひとまずはそこに向かっての土台は築けたのだろう。
ケンブリッジ選手はもっと調子を上げてくるかと思ったが、それほどでもなかった。
どうも下半身がついていかず、加速しきれていないように見えるが、それでも出力が強く、リズムも乱れずに準決勝で先着された桐生選手を抑えるあたりはさすが。
桐生選手は好調時のキレ、爆発力がなかった。
しかし先行されても力まない、という課題は昨年までよりかは改善されているように見える(残り10mは多少あがいたが、大失速にはなっていない。と思う)。
調子が上がってきた時に今の走りがどう生かされるか、そこが楽しみなところ。
小池選手は唯一の自己新で大健闘の4位。
力強くもあるが柔らかくもあり、ケンブリッジ選手、桐生選手と対等に戦ったが、上体がやや振られてほんの一瞬、力が逃げる瞬間が何度かあるように見え、その正確性の積み重ねが順位に反映されているのかもしれない。
多田選手は本来の走りを取り戻すことはできなかったが、下手すれば決勝に進めない可能性もあると思っていたところ、表彰台射程圏近くまできたのだからよくここまで上げてきたと思う。
200m+0.8m
飯塚20.34
小池20.42
山下20.46
桐生20.69
犬塚20.74
染谷20.85
猶木20.91
藤光23.65
飯塚選手はタイム差以上に結構余裕があったのではないだろうか?
前半を無理なく通過して、トータルバランスで勝ちに行く。おそらくほぼプラン通りで走れたのではないかと思う。
しかし前半の無理がないといっても、スピード自体は昔より明らかに上がっており、そのことが後半の余裕につながっているのではないかと思う。
小池選手は100mに続いての好成績。
土台がしっかりしているのか、前半の貯金を守り切って3位以下を抑えた。
最後30mは腕振りができない位に疲れたのかと思ったが、無して振らずにバランスを保ち、減速を最小限に抑えたようにも見える。
山下選手はコーナリングからスピードにのり、ピッチで稼いだ。
最後は多少乱れて力みも見られたが、しなるような接地で後続との距離を保ち、逃げ切った。
桐生選手は練習で距離は踏んでいるのかもしれないが、レースプランが明確でないのか200m仕様になっていなかったと思われる。
おそやく走力だけで乗り切ったレースだったと思うが、そこから考えると悪い走りではなかったし、今後が見えてくる結果となったかもしれない。
期待していた犬塚選手はまずまずの走り。来年以降の代表争いに絡んでくるのではないかと思う。
400m
ウォルシュ・ジュリアン45.97
木村淳46.39
伊東46.57
田村46.58
木村和史46.67
松清46.69
鈴木46.94
金丸48.23
ウォルシュ選手は地力で抜けていたが、攻めと守りの境界線でやや迷いの見えるレースだっただろうか。
もう少し競える選手がいればまた違うのかもしれないが、それくらいに今回は独走状態だった。
44秒台は出せると思うので、今後のレースに期待したい。
木村選手は最初から最後まで丁寧に走ったという印象。またインからウォルシュを見ながら走れたのも良かったかもしれない。
スピードもあるので前半もう少し攻められればとも思うが、バランス的に考えると今回のレースパターンが今は適しているのかもしれない。
伊東選手は後方から追い上げまくって田村選手、木村選手は代表組を最後の最後で差して見事に3着。
実績はないかもしれないが、リレー要員代表権を勝ち取らせてあげてもいいのにな、と思う粘りのある走りだった。
〜了〜