陸上競技 男子短距離〜観戦記〜

主に男子短距離の観戦記&雑感などを勝手に書いているブログです

ロンドン世界陸上 男子400mR・その他

M400mR f

 

1.イギリス 37.47

2.アメリカ 37.52

3.日本 38.04

4.中国 38.34

5.フランス 38.48

6.カナダ 38.59

7.トルコ 38.73

ジャマイカ DNF

 

予選を見た印象ではアメリカ、イギリス、ジャマイカが強く、日本は中国、フランスと4位争い。

 

3強の一角がバトンミスをしてメダルもあり得るかと思っていたが、まさかボルトの故障によってこのような結果が訪れるとは思わなかった。

 

多田選手は大外のレーンが良かったのもあるのか、予選同様にトップ争いを演じて飯塚選手へ。

 

飯塚選手はトップの3国には詰められたか。しかし200mの時よりもキレのあるいい走りを見せた。

 

桐生選手はタルボットには先行されたがほぼ同じ位置をキープ。バトンはやや詰まったように見えたがアンカーの藤光選手へ。

 

決勝からのレースとなった藤光選手はベテランらしく、安定した走りを見せて見事に3位でゴール。

 

おそらくケンブリッジ選手でもメダルは取れたのではないかと思うが、この段階で最も好調だったのは藤光選手なのだろう。

やや前傾気味にも見えたが、動きはスムーズでキレていた。後続に追い上げられることなく、最後まで自身の走りができたのはこの選手のキャリアによるものもあるだろう。

 

日本はこれでオリンピックに続いて世界大会2大会連続でのメダル、世界陸上では初のメダルとなった。

チーム全体の安定感はやはり突出したものがあるのだと思うが、これからの選手はこの2年の結果がベースになるだろうからから大変だな。

 

それにしてもイギリスは強かった。全員よかったが2走のジェミリで抜け出したのが大きかったのではないか。

また同じ2走でガトリンが思いのほかリードを奪えなかったことも後押ししたように思う。

 

ミッチェル・ブレイクとコールマンのアンカー対決においては走力ではコールマンに分があるが、バトンのスムーズさに加えて加速走の能力でミッチェルが上回った。

コールマンは個人100mでは冷静だったが、ここではやや焦ったか。

 

そしてジャマイカは無念の途中棄権。

ハードルから駆り出されたマクレオド、また個人100mは準決勝敗退となったフォルテは想像以上にいい走りをしたが、ブレイクは個人に続き精彩を欠いて上位2チームに離された。

その差を追い上げるのに必要な走りは今のボルトには出来なかったということか。

 

結局最後まで走りきることも出来ずに競技場を去り、スーパースターとして残念な結果に終わった。

勝負の世界がいかに厳しく、無情なものかがよく分かるが、無責任に言うならその中で限界を超えて砕け散って終わるのもスプリンターらしいと言えるかもしれない。

 

なので、個人的には残念ではあるがスッキリした最後だと思っている。

いずれにせよ、最後まで強烈な印象を与える選手だった。

 

 

 

 

というわけで、遅くなりましたがザックリとした感想でした。

 

今大会もなかなか盛り上がりましたが、実はあまり他の種目は見れていません。

 が、その中でも男子400mH準決勝のクレメントのレース巧者ぶりに感心してからの決勝でのワーホルムのはじけっぷりなんかは印象に残りましたね。

 

ワーホルムは今季DLからはじけてましたが、大舞台ではクレメントがしっかり合わせてくるんだな、と思ってからのまさかの結末だったので面白かったです。

 

他にはサリー・ピアソンの復活優勝、バルシムの完勝も印象に残りましたが、細かいところでいうと男子マイルでアメリカを破って優勝したトバゴの2走を務めたリチャーズの走りは興味深いものがありました。

 

個人200mでもメダルを獲得し、400mのベストも45秒前半なので妥当な走りだったかもしれませんが、レースの流れを一気にチームに引き寄せた迫力は凄かったです。

もちろんセデニオ、ゴードンらの走りも素晴らしかったですが、今後世界のレースを盛り上げてくれそうな魅力を感じました。

 

男子400m準決勝で43秒台を出したガーディナー、女子100m準決勝のトリ・ボウイの走りなんかも印象に残りますが、やっぱりサニブラウン選手の100m予選が最も強烈だったですかね。

 

ここから2年間は世界大会がありませんが、その間に上記の選手も含めて新たなスターが誕生してほしいですね。

 

 

〜了〜