ロンドン世界陸上 男子100m予選
M100m予選
1組-0.1m
コールマン 10.01
ハーベイ 10.13
グリーン 10.21
マタディ 10.24
コールマンは絶好調。余裕を持ってゴールした。
が、上体の動きがやや硬く、動きがばらつく前に流したように見えなくもない。
走力は証明できたが、実力は次のラウンドで明らかになりそうだ。
ハーベイも最後流したが、そこまでの余裕は感じない。
前半でもう少し前へ出てないと準決勝は厳しいか。
2組-0.6m
サニブラウン 10.05
ブレイク 10.13
謝 10.13
バーンズ 10.22
正直9秒台が出たと思ったが、向かい風もあって残念ながら自己タイにとどまったサニブラウン選手。しかしなんという18歳か。
序盤の5歩くらいで自分のレースパターンに持ち込むのはいつも通りとしても、
このレベルの大会で中盤以降も乱れることなく走り切るのはお見事。
僅かに左右にぶれているかもしれないが、リラックスされていて上下動はなくスムーズに体を運んだ。
なんなら余裕すら感じる。
微調整を加えれば難なく決勝へ進むのではないだろうか。
ブレイクはどうしたのか。
力を温存したのかもしれないが、動きがバラついていてそこまでの余裕はなかったように思う。
いずれにしても4ラウンド制ならいざ知らず、いい通過の仕方だとは言えないだろう。
準決勝では本来の走りを期待したいところ。
謝は最後までよく粘ったがサニブラウン選手に先行されて中盤以降は乱れたか。
しかしパワフルな選手だ。
3組±0m
フォルテ 9.99
メイテ 10.02
プレスコット 10.03
シンビン 10.15
ウィルソン 10.24
自身の走りをしっかりと貫いたフォルテが予選最高タイムで通過。
中盤で並んでからが強い選手という印象。
メイテはスタートで少し態勢を崩しただろうか?
それでも2着に入る走力はさすが。
調子もよさそうだが、準決勝以降の走りを見据えて最後は流さない方がよかったかもしれない。
プレスコットはノソっと起き上がるようなスタートでロスしているようにも見えるが、全身にバネがあり、そこを最大限に生かした走り。
決勝進出ラインはこの選手あたりが目安となるのではないか。
シンビンはピーキングに失敗したのか精彩を欠いた。
4組-0.2m
蘇 10.03
ウジャー 10.07
ベルチャー 10.13
ケンブリッジ 10.21
蘇は相変わらずの好スタートで主導権を握り、そのまま走り切った。
さすがよく勝負どころをわかっているというか、大舞台にピークを合わせるのが上手い。
上体に力は力が入っているようにも見えるが、接地は正確でいてなんと軽やかなことか。
今季好調のウジャーも無事に通過したが、蘇の走りに圧力を感じたのかスタートの出来の割に上体はやや前のめりになってしまい全体的にスムーズでなかったように思う。
ベルチャーは全米の決勝と同様に後半追い上げる展開。
ただ予選から前半でここまで離されているようだと決勝は厳しいかもしれない。
ケンブリッジ選手は上位2選手に挟まれ、スタートで出られてしまっただけに厳しい展開となった。
ただ昨年の五輪の予選では厳しい組ながら素晴らしい走りをしていただけに心配になる結果。
調子は悪くないかもしれないが、動きが噛み合っていないように見える。
どこまで修正できるか。
5組 +0.9m
ガトリン 10.05
フィッシャー 10.19
キム10.24
ガトリンはさすが大ベテランといった走り。
最後は余裕を持って流しているが、レースの流れ自体はしっかりと構築出来ていて、ブレイクとは対照的にいいラウンドの進め方だったと思う。
心配なのは体力面か。
6組+0.3m
ボルト 10.07
ダサオル 10.13
ビコ 10.15
多田 10.19
ボルトは毎度のことながらしっかりと合わせ、段違いの走力を見せた。
やはり一歩のスケールが大きい。
これだけのパワーを高速の動きの中で制御しもって、正確に地面に伝えることができるのだから改めて凄いと思わせるレースだった。
準決勝・決勝ではさらにピンポイントで仕上げてくるだろうな。
ダサオルは最後まで粘って2着通過。
多少競っても中間までに獲得したスピードを維持し、押し切るだけの走力・パワーは健在。
ビコは相変わらず不安定な通過をするが、いつものことなので準決勝は一気に上げてくるのではないかと思われる。
多田選手は見事に予選通過。
やはりこの選手は本人も言うようにスタートの鋭さはさることながら、中間の押しの強さが一番の魅力かもしれない。
後半は流石に力んで上体が後傾してしまいブレーキがかかったが、そのあたりをどこまで修正できるか。
それにしても日本選手の全員が予選通過は凄いですね。
準決勝、そして決勝が楽しみです。
~了~