陸上競技 男子短距離〜観戦記〜

主に男子短距離の観戦記&雑感などを勝手に書いているブログです

日本選手権100m・200m決勝

まず結果

 

+0.6m

サニブラウン 10.05

多田 10.16

ケンブリッジ 10.18

桐生 10.26

川上 10.38

山懸 10.39

高橋 10.43

九鬼 10.45

 

サニブラウン選手は決勝でも次元の違いを見せつけた。

 

もう昨年までのジュニアとしての世界トップではなく、シニアの世界においてもトップスプリンターの仲間入りを果たしたといえるかもしれない。

 

スタート2歩目で躓いたというが、その2〜3目で勝負は決していたと思う。

それくらいに一歩一歩の推進力に差がある。

 

そしてその力を地面に伝えるにあたり、余計な力が加わっていない。

身体も大きくなり体幹も鍛えられたことが大きいのだと思うが、そこに持ち前の接地の巧さや正確性が融合されて、他を圧倒するダイナミックさはあっても全体的にゆとりがある。

 

世界陸上での決勝進出はありえるのではないか。

タイムもいずれは9秒8台以内に到達する可能性もあると思う。

 

 

大会前はサニブラウン選手の優勝を予想できなかったが、多田選手の結果も想像以上だった。

決勝は思ったほど先行できなかったようだが、それでも3位以下の選手にはリードを奪った。

 

他の有力選手が自滅した要素もあると思うが、簡単に言うなら最初から最後まで自分のリズムでしっかり走りきれた、という印象。

 

要は粘り強さも備えているということか。

先行されようが並ばれようがあまり影響を受けない。いや、影響を受けてはいるが大幅に崩れることのないいい意味での強引さがある。

アダム・ジェミリのバチバチ殴り合うかのような走りとでもいうのか。

 

 

ケンブリッジ選手はいつも以上にスタートから身体が起き上がるのが早い気がした。

そのためか上手くトップスピードにのれず、予選、準決勝に比べてキレがなかったが、それでも上手く立て直して代表権は獲得した。

 一気に復調はしてきたが3本揃えるほどの余力はまだなかったのかもしれない。

 

 

桐生選手は全体的に動きが小さくなってしまい、接地時に身体が乗り込んでいなかった印象。

ピークが早すぎた、レースに出過ぎた、などの意見も聞かれるが予選、準決の走りから調子自体は悪くなかったように見える。実際はどうなんだろうか。

 

どちらかというと4位に入ったことよりこの舞台で自分のレースから大きく遠のいてしまったことの方がショックなのかもしれない。

しかしリレーメンバーに選ばれたことは大きくプラスになるのではないか。

 

 

山懸選手はやはり勝負できなかった。

本人も言っていたと思うが、身体が動きについていかなかったように見える。

結果、動きもぎこちないものになってしまったと思うが、悪い状態からよくまとめてきた方なのかもしれない。

 

 

それにしてもすごいレベルの争いだった。

サニブラウン選手が飛び抜けてはいたが、これだけ有力選手が揃うこと自体がまずないように思う。

 

 

200m +0.3m

サニブラウン 20.32

藤光 20.47

飯塚 20.55

原 20.77

諏訪 20.83

山下 20.77

田中 20.90

高瀬 20.99

 

 こちらも100mの結果から考えてサニブラウン選手の勝利は決定的だった。

前半で貯金を作るとあとは逃げ切るのみ。

疲れからか多少身体がブレてはいたが、大きな腕振りでゴールを手繰り寄せるようにして減速を最小限に抑え、見事に走りきった。

 

前半でリード出来れば走力から考えても抜かれることはない、そんな余裕があったのではないだろうか。

さらに昨年までと比較してフィジカルが鍛えられ、技術もレベルアップしているのだから、言い方は悪いが他の選手から見たら絶望的な強さだな。

 

こうなると200mにおいても世界陸上での決勝進出に期待がかかる。

まだ厳しいかもしれないが、本人が言うようにトップスプリンターに引っ張られると一気に19秒台に到達しそうな気配はあるんだよな。

少なくとも20.1台前半は現時点でも出せるのではないか。

 

藤光選手は標準まであと一歩と惜しかったが、予選同様に自分の走りができたのでないか。

絶好調時に比べるとややパワーレスにも見えるが動きは相変わらずスムーズで無駄がない。

あれだけサニブラウン選手に圧倒されても動じずに冷静に動きを制御し走りきるあたりはさすが大ベテラン。

 

飯塚選手は今季100mでベストを出していただけに期待していたが後半思ったより伸びがなかった。

前半はまずまずだったがそこから上手くスピードにのらず、無理をせず3着を確保したという印象。

200mとしてはそこまで仕上がっていなかったということか。

しなし予選でしっかり標準を突破してくるあたりは見事。

 

そういや桐生選手は結局200mに出なかったんですね。

結果論ですが間に200mを挟んでおけば100mにおいてまた違う結果が出ていたかもしれない。・・いや、それはないか。

サニブラウン選手はよく両種目こなしましたか、200m予選と100m決勝の間隔が短すぎるんですよね。

 

 

〜了〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜了〜