陸上競技 男子短距離〜観戦記〜

主に男子短距離の観戦記&雑感などを勝手に書いているブログです

DLロンドン

だいぶ立て込んでましたが少しずつ落ち着いてきたので、オリンピックに向けてのネタなどもまた書いていきます。

200m -0.3m
ボルト19.89
エドワード20.04
ジェミリ20.07
ホルテランド20.18
ロドニー20.37
タルボット20.38
アシュミード20.51

怪我の状態が分からなかったので、調子を上げてきているエドワードと対戦するのは危険ではないかと思っていたが問題なかった。

まだ身体が乗り込み切っていないように見えたが、仕上げればシャープな動きは取り戻せそうな状態か。

どちらかというとオリンピックでは100mよりも200mの方が勝つ可能性がより高く、タイムも19.5台位までは上げてくるのではないだろうか。

それ位に200mは他を圧倒できる迫力があると改めて思ったレースだった。
不安要素があるとしたら怪我とスタミナか。


エドワードは更に調子を上げてきたがボルトに抑え込まれるように負けた印象を受ける。
ただ今のポジションも確認できただろうし、メダルも狙える位置かもしれない。
 
ジェミリも完全復活か。
こちらも100mより200mの方がより狙えそうな位置にいる。
怪我をする前よりも動きにまとまりが出てシャープになった気がするな。


100m +0.4m
ビコ10.02
ヤング10.07
マルティナ10.10
ブレイシー10.11
フォルテ10.11
ウジャー10.16
キルティ10.16
ロジャース10.19
コリンズ12.08

ビコはフィジカルが強いな。
流れに乗るとあとは身体が動きを誘導してくれるとでもいうのか、かみ合った時のスムーズさはすごい。

ただ対戦相手のレベルや状態が自分以下の場合はレースを支配できるが、競ると弱い印象は拭えない。
今年はどうか分からないが。

ブレイシーは200mのアシュミードと同様に代表権獲得後ということもあり、一度落ちた印象。
また本番までに上げてくるとは思うが。

マルティナはベテランらしく仕上げてきたのか追い込みが素晴らしかった。
ビコとは対照的に自身のポジションに関係なくレースを構築できる強さは健在の様子。
ファイナルは難しいかもしれないが。


そして心配していたコリンズは意外にもこのレースの前から早々と復帰していて、代表にも選ばれたのだとか。
厳しい状態ではあると思うが。



今大会何より素晴らしかったのはやはり女子100mHで12.20(+0.3m)の世界新を樹立したハリソンだろう。
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オリンピックで見れないのが残念でならないが、早くも目標を変更してここまで到達できたプロフェッショナルぶりが凄まじい。

石塚さんが言うように後半は少し浮き上がっていたようにも見え、タイムはまだまだ短縮できるかもしれない。

特に凄さを感じるのは抜足がハードルを越えるところから地面へ振り下ろすまでの動き。
ハードルを飛び越える際の抜足は横向きではなく縦に通過しているかのかと錯覚するほどスムーズで、振り上げから接地までの一連の動きには体制を整える等、一瞬でも流れを中断するような無駄がない。
それゆえ次のハードル動作にもゆとりができ、リズムにも乗れるということか。

ただの勢いではなく神がかった正確性の連続が生んだ歴史的瞬間だったと言えるのでは。

ただ、全米のレースは見てないがそれだけ繊細な動きだけに脆さもあるのかもしれないが。


残念だったのはゴールタイマーが実際のタイム付近でストップしなかったこと。

ゴールした時にタイマーを見て「いった!世界新!!」という瞬間を味わえなかった。
まぁ今回のようなパターンも珍しいのでこれはこれでありか。




〜了〜