陸上競技 男子短距離〜観戦記〜

主に男子短距離の観戦記&雑感などを勝手に書いているブログです

Wch北京 W100m〜400m決勝

久々に女子短距離ネタを少し。

100m決勝-0.3m
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1.フレーザー10.76
2.シパーズ10.81
3.ボウイ10.86
4.キャンベル・ブラウン10.91
5.アイエ10.98
6.パプティステ11.01
7.モリソン11.02
8.オカグバレ11.02

フレーザー
追い込まれはしたが完勝。
スタートから起き上がるまでの繋ぎは完璧に近いのでは?

レース全体を通じても上下動などの無駄がほとんどなく、すべての動きがとにかくスムーズ。
これほど高速で動く身体を安定させることが出来るものなのか、、と驚かされる。

ボルトの200m決勝時も思ったが、ゴール時の手を突き上げるなどのパフォーマンスのタイミングの完璧さ、ナチュラルさも実は超人的な作業なのかもしれない。

また違うか。


シパーズ
ひょっとして勝つかもしれないと思ったが女王には届かなかった。

一旦スピードに乗ってしまうと強いが、スタートも含めてそこまでのアプローチに無駄がなくなってきたということか。


ボウイ
上位2人からのプレッシャーで少しずつ乱れ、まとめられなかったか。
準備期間も足りなかったのかもしれない。
それでもメダルを取るのは実力が抜けている証拠だが課題も残した。


オカクバレ
レースの波に全くのれなかった。
何か不安要素があったのだろうか。




200m決勝+0.2m
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1.シパーズ21.63
2.トンプソン21.66
3.キャンベル・ブラウン21.97
4.マクローン22.01
5.アッシャー・スミス22.07
6.ターモー22.31
7.ラロワ22.41
8.シンプソン22.50



シパーズ
準決勝での余裕を見てとんでもない記録が出るかもしれないとは思ったが、一気に歴代3位までくるとは。


前述通り、一旦スピードにのると強い。
設置時にベストポジョンで体重がしっかりと乗り、またその反発を逃すことなく推進力に繋げているようだ。
100m以上にそこの強さが反映された。

また腕振りなど上体も含めて動きをコンパクトにまとめているのも特徴か。
焦って力んだりすることなく、動きの正確性を保っているように見え、テンポがよい。

スター性もあり、これから更に楽しみな選手。


トンプソン
こちらも素晴らしい記録をマークした。
走りも素晴らしかったが、終盤の方はシパーズとは対照的に体重がしっかりとのらず、力が少しずつ逃げているように見えた。

僅差ではあるが明確な差でもあったか。

ただこの選手がここまでの走りを見せないとシパーズの走りも引き出せなかったかもしれない。


キャンベル・ブラウン
100mでも健闘したが、200mでは更に強さを証明した。

インレーンで不利かとも思われたが自分のレースに集中し、崩れそうな局面も見事にコントロールできたあたりがベテランらしい。


が、予選でアウトレーンに出てしまい、そのまま走りきったことはこの結果以上に驚かされた。



400m決勝
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1.フェリックス49.26
2.ミラー49.67
3.ジャクソン49.99
4.デイ50.14
5.マクファーソン50.42
6.ウィリアムス・ミルズ50.47
7.フランシス50.51
8.オールグー50.63


フェリックス
伊東氏が言うように、走りが400m仕様になってきたということなのか強かった。

スピードはあるが無理しているわけではなく、自然な動きの中で上げている。

これ以上でもこれ以下でもないという位に自身のスピードを維持するベストなストライドなのだろう。

一歩一歩の動きは正確だが、どこか本能的でしなやかな走りはこの距離の方が適しているということなのか。

個人的には記録も狙って欲しいので来年も400mでの走りを見たい。
が、今回の200mファイナリストとも対戦してほしいんだな。。


ミラー
予選、準決勝の走りを見てこの選手にも勝機はあるかと思ったが、完敗だった。

前半から大きく先行されたことで迷いが出て、少しずつ動きに狂いが生じたのではないだろうか。

「こんなに離されて大丈夫か?」
「もう少し詰めておいた方がいいのか?」

といった具合に。

しかしよく追い込んだし今後は立場が入れ替わるかもしれない。

ただ、今回は戦略的にもフェリックスが一枚も二枚も上手だった。



〜了〜