ダイヤモンドリーグ モナコ
200m +0.9m
ライルズ19.65
グリエフ19.99
キニョネス20.03
エドワード20.15
リチャーズ20.16
ブラウン20.17
アダムス20.65
ウェッブ20.77
ライルズは加速が凄まじい上に、このメンバーでは前半から抜け出せるだけに完勝だった。
解説の石塚氏も言っておられたが、「点」で接地しているだけに無駄がない。
特に200mにおいてはどこを切り取っても無理をせずともスムーズに加速している印象を受けるので、全盛期のボルトやブレイクみたいなタイプでないとなかなかこの選手に勝つのは難しいかもしれない。
グリエフも好調を維持して19秒台に収まったが、やはりここまでライルズに先行させると厳しい。それでも流石の安定感だが。
キニョネスは前半大きく遅れ、インのブラウンにスタート直後から並ばれつつも、よくここまで粘れるなと思う。
トップスプリンターはこのあたりの臨機応変なレース構築力が飛び抜けている。
エドワードとリチャーズも上位争いからは離れたが、まずまずのポジションで、全体的にレベルの高いメンバーによるレースだった。
それにしても今大会、ミラーの48秒台とチェプコエチの世界新には驚いた。
ミラーは数日前の200mでも凄まじいキレ味を見せていたので、好記録を期待していたが、とうとう大台に突入した。
ペレクの記録あたりを狙って欲しいが、厳しいだろうか。
〜了〜
ダイヤモンドリーグ ラバト
100m -0.4m
コールマン9.98
ベイカー9.98
ライルズ9.99
ロジャース10.01
プレスコッド10.09
ウジャー10.19
桐生10.20
シセ10.22
モハメド10.30
今季、室内60mで世界新をマークしながら屋外で苦戦していたコールマンがここにきて勝利。
いつも程に前半から飛び出たわけではなく、後半もややもがいたように思うが、反対に前半ある程度並んでいたから、そこまで終盤乱れなかったのかもしれない。
ベイカーは混戦に揉まれると勝てないイメージがあるが、それでも相変わらずの安定感。よほど体幹の強さと走りがマッチしているのではないか。
ライルズはとんでもない追い上げを見せたが、前半遅れ過ぎた。が、ここまでの追い上げはなかなか見れないので個人的にはおもしろかった。
そして、ロジャースが粘った。
今季は9.89を出しているし、さすがは一戦で戦い続けるベテラン。
桐生選手は記録も順位も妥当なところだろうか。
というか今季自己ベストで上回るシセとモハメドに先着し、ウジャーとも接戦だったので悪くはないと思う。
もちろん狙うところはそれ以上だと思うが、上位に離されてもそれほど大崩れはしていないし、上を目指せるポジションであることは再認識できたのではないか。
海外レースで磨きをかけていって欲しい。
400m
ブルームフィールド44.33
ハロウン44.69
ハドソンスミス44.79
サントス44.80
デデウォ44.82
チェリー45.40
今季43秒台をマークしているブルームフィールドが圧勝。
身体は大きいが、前半は腕振りもコンパクトにまとめてロスの少ない走りを展開し、器用な印象を受けた。
おそらく大きく乱れることはないのではないか。
加えてスピードもあるのでこれから楽しみな選手。
ハロウンはさすがに抑え過ぎたがそれでも2着に入るのはさすが。だが、この結果は今後のレースパターンを悩ませるかも。
サントスも久々にらしさをみせてくれた。
〜了〜
ダイヤモンドリーグ ローザンヌ
200m +0.4m
ライルズ 19.69
ノーマン19.88
キニョネス20.08
ベンジャミン20.16
オリヴェイラ20.33
ヤング20.43
ウィルソン20.65
エドワード20.86
意外にもノーマンが前半をリード。
しかし上半身に力が入り過ぎたか、いつものような柔軟性が損なわれたように思う。
直線に入ってからは伸びに欠け、ライルズが一気に巻き返して圧勝。
ライルズはスピードに乗れば誰も止められないと言わんばかりの加速力があり、一歩の推進力が凄まじい。
しかしノーマンも自己記録に迫る好記録。100mでも9秒台が狙えるのではないかと思うくらいにスピードがあることは証明できた。
ベンジャミンも前戦に比べて力んだように見えるが、それでもこのタイムなので400mHの選手としてはやはりスピードが飛び抜けている。
〜了〜
ダイヤモンドリーグ パリ
なかなか更新できておりませんが、DLパリについて。
100m +0.8m
ベイカー9.88
ビコ9.91
蘇9.91
シンビン9.94
ブレイク10.03
ロジャース10.10
全米で敗れはしましたが、やはり走り自体は安定しておりタイム差以上に明確な差で勝ったベイカー。
自己新ではあるが、もう少し記録を伸ばしていきたいところか。
ビコは得意なパターンに持ち込めたレース。波はあるが、ノっている時は前半から自分のリズムに持ち込むことができるんだな。
蘇は2度目のアジアタイ記録。
そしてこのメンバーで出したことが凄い。
一見前半からグイグイと強引なくらいにリードしているようだが、今季はやや余力を残すかのように丁寧に加速している見える。
後半もまだ改良の余地がありそうなので、そのあたりのバランスが整えば8台はいくかもしれない。
それにしても今季のアジアは中国勢を始め10秒0台が多数出ており、しかもそれが国際舞台でのことだからアジア大会はハイレベルな争いが予想される。
日本選手には厳しい戦いだが、これまでで最も見応えのある大会になるだろうから楽しみだ。
200m-0.6m
ノーマン19.84
ベンジャミン19.99
キニョネス20.08
アダムス20.21
オルテラーノ20.30
マルティナ20.68
ノーマンはまずまず本領発揮といったところか。
ロングスプリンターだけあって全体的に余裕があるが、接地時に体の柔らかさと力強さがここまでバランスよく融合されている選手はなかなかいないかもしれない。
しかし驚きでいえばベンジャミンの19秒台突入の方が大きい。
線は細いがボルトを思わせるような大きな身体から繰り出される動きは迫力がある。
本職では一体どこまで記録を伸ばせるだろうか。
確かブライアン・ブロンソンが20.2台だったかで400nHのトップ選手としては最速だったように記憶しているが、47秒0台のベスト記録の割に勝負強さはなく、一発屋に近かった。
ベンジャミンはこれからなので分からないが、まだまだ動きに伸びしろやゆとりを感じるので、更に記録も結果も出してくると思われる。
そんなベンジャミンの対抗馬、今季絶好調のサンバは400mHに出場して46.98の歴代2位で優勝。
ワーホルムとの比較からしても250mあたりで「これは世界記録に近いペースなのかも」と思ったが、さすがにそれはないだろうと思い直したらこの大記録。
ボルトが9.58を出した時の朝原さんくらいに驚いたかもしれない。
早くベンジャミンとの直接対決がみたいところだが、今年世界大会がないのが残念だと思える充実ぶりだな。
〜了〜
日本選手権2018
特に円盤投の三投連続新記録というのは、過去にもないのではないでしょうか。
まだまだ記録を伸ばしてほしいところです。
100m+0.6m
山懸10.05
ケンブリッジ10.14
桐生10.16
小池10.17
多田10.22
長田10.30
竹田10.30
九鬼10.46
準決勝で不安を残した山懸選手だったが、やはり修正力が凄い。
しっかりと状況把握し、課題に対して対策を練り、それを実行できる。
走りにもその着実さが現れているように、完成度の高いレースだった。
ほぼスタートできめたと言っていいくらいに序盤で抜け出すと、あとは貯金を維持して逃げ切った。
少し身体が浮いた部分もあったかもしれないが、無理なく地面に力を伝える動きは正確で、意図した通りに身体を運べたのではないか。
アジア大会で中国勢に勝つにはここからさらに抜け出すことができるかどうかだと思うが、ひとまずはそこに向かっての土台は築けたのだろう。
ケンブリッジ選手はもっと調子を上げてくるかと思ったが、それほどでもなかった。
どうも下半身がついていかず、加速しきれていないように見えるが、それでも出力が強く、リズムも乱れずに準決勝で先着された桐生選手を抑えるあたりはさすが。
桐生選手は好調時のキレ、爆発力がなかった。
しかし先行されても力まない、という課題は昨年までよりかは改善されているように見える(残り10mは多少あがいたが、大失速にはなっていない。と思う)。
調子が上がってきた時に今の走りがどう生かされるか、そこが楽しみなところ。
小池選手は唯一の自己新で大健闘の4位。
力強くもあるが柔らかくもあり、ケンブリッジ選手、桐生選手と対等に戦ったが、上体がやや振られてほんの一瞬、力が逃げる瞬間が何度かあるように見え、その正確性の積み重ねが順位に反映されているのかもしれない。
多田選手は本来の走りを取り戻すことはできなかったが、下手すれば決勝に進めない可能性もあると思っていたところ、表彰台射程圏近くまできたのだからよくここまで上げてきたと思う。
200m+0.8m
飯塚20.34
小池20.42
山下20.46
桐生20.69
犬塚20.74
染谷20.85
猶木20.91
藤光23.65
飯塚選手はタイム差以上に結構余裕があったのではないだろうか?
前半を無理なく通過して、トータルバランスで勝ちに行く。おそらくほぼプラン通りで走れたのではないかと思う。
しかし前半の無理がないといっても、スピード自体は昔より明らかに上がっており、そのことが後半の余裕につながっているのではないかと思う。
小池選手は100mに続いての好成績。
土台がしっかりしているのか、前半の貯金を守り切って3位以下を抑えた。
最後30mは腕振りができない位に疲れたのかと思ったが、無して振らずにバランスを保ち、減速を最小限に抑えたようにも見える。
山下選手はコーナリングからスピードにのり、ピッチで稼いだ。
最後は多少乱れて力みも見られたが、しなるような接地で後続との距離を保ち、逃げ切った。
桐生選手は練習で距離は踏んでいるのかもしれないが、レースプランが明確でないのか200m仕様になっていなかったと思われる。
おそやく走力だけで乗り切ったレースだったと思うが、そこから考えると悪い走りではなかったし、今後が見えてくる結果となったかもしれない。
期待していた犬塚選手はまずまずの走り。来年以降の代表争いに絡んでくるのではないかと思う。
400m
ウォルシュ・ジュリアン45.97
木村淳46.39
伊東46.57
田村46.58
木村和史46.67
松清46.69
鈴木46.94
金丸48.23
ウォルシュ選手は地力で抜けていたが、攻めと守りの境界線でやや迷いの見えるレースだっただろうか。
もう少し競える選手がいればまた違うのかもしれないが、それくらいに今回は独走状態だった。
44秒台は出せると思うので、今後のレースに期待したい。
木村選手は最初から最後まで丁寧に走ったという印象。またインからウォルシュを見ながら走れたのも良かったかもしれない。
スピードもあるので前半もう少し攻められればとも思うが、バランス的に考えると今回のレースパターンが今は適しているのかもしれない。
伊東選手は後方から追い上げまくって田村選手、木村選手は代表組を最後の最後で差して見事に3着。
実績はないかもしれないが、リレー要員代表権を勝ち取らせてあげてもいいのにな、と思う粘りのある走りだった。
〜了〜
日本選手権2018 予想
ほぼ無難な予想ですが
100m ケンブリッジ
200m 飯塚
400m ウォルシュ・ジュリアン
でいきたいと思います。
100m
安定感でいくとやはり山懸選手。
しかも今季は日本選手に完勝しているし、更に調子を上げてくるだろうから間違いなく優勝候補筆頭といえる。
ただ調子の上げ幅で考えると、ケンブリッジ選手の可能性も割と高いとみる。
動きが噛み合えば、2年前に勝った日本選手権のような勝負強さを見せ、安定の山懸選手を終盤抜き去るのではないかとと思うので、波はあるが今回はケンブリッジ選手と予想。
桐生選手の可能性もあるだろうが、ここまでのレースだけで判断するならやや厳しい戦いになるか。
スロースタート気味で調整しているのだとは思うが、今季のレースにいい感触を得ていないように見える。
走力というか、馬力は1番だと思うので単純に調子を上げてきた段階で上位に入るとは思うが、現段階では大崩れもしないが爆発もしない、そんなレースになるような気がする。
多田選手は先日の学生種目別でも振るわず、レース構築にもがいている印象があるので一週間で立て直すのは厳しいだろう。しかし意地を見せるか。
他に上位に食い込むとしたら大学ルーキーの宮本選手。
ただアジアジュニアの結果から考えると5〜6番手が妥当なところか。
他には小池選手や長田選手、女部田選手も侮れない。
なお優勝記録はコンディションがそこそこ良ければ10秒05〜10位になるのではないか。
謝震業が9.97をマークしたので奮起して更に好記録が出るかもしれないが。
200m
飯塚選手はそこそこ差をつけて勝つのではないかと予想。
理由はここまでのレースでかなり動きに余裕があったから。
記録は20秒3台位だろうか。
対抗馬はやはり藤光選手。
こちらも一気に調子を上げてくる可能性があると思うが、2015年の時のような大会前の余力は感じない。と、思う。
また原選手も上位に食い込むと思われるが、大番狂わせがあるとすれば犬塚選手だろうか。
山下選手、井本選手(出場する?)にも注目したいところ。
それにしても100m、200mとも頂点に君臨するサニブラウン選手がいないのが残念。
世界ジュニアも欠場とのことだが、まあ完治を優先させるのは当然のこと。
それでも日本の層の厚さは変わらないが、今年のアジア大会でメダルを取るのはなかなか難しいだろう。
金メダルに至っては世界でファイナルを狙える位の実力でないと難しいと思うが、逆にいうとアジアで頂点を極めることが世界で対等に戦える基準にもなるだろうか。
400m
あまりレースを見れていないのだが、やはりウォルシュ選手が最も地力があるだろうな。
ウォルシュ選手のレースプランが崩れれば静岡国際のように金丸選手あたりが逆転するパターンもあるかもしれない。
また若手の台頭にも期待したい。
個人的には北谷選手に期待しているのだが。
〜了〜
ダイヤモンドリーグ ストックホルム
100m +2.0m
タフティアン10.07
桐生10.15
スメリー10.17
タフティアンは世界室内60mでファイナルに残っているだけに強かった。
体幹が強く、バネもあるのか序盤で抜け出してからも走りは安定していて、他を圧倒した。
強豪と接してもあまり崩れないタイプかもしれない。
桐生選手はスタートでもう少しキレのある飛び出しができていなければ、今季のタフティアンには勝つのは難しいだろうか。
可動域も狭く感じるので、その辺り次戦でどこまで修正してこられるか。
しかし少しずつ調子が上がっているようには思う。
また終盤追い込んだスメリーを抑えたことも好材料になるのではないか。
200m+0.9m
グリエフ19.92
ブラウン20.07
ウェッブ20.41
ミッチェル・ブレイク20.44
マルティナ20.82
ラーソン20.85
ガーディナー23.35
オスロに続きグリエフが連勝。
タイムは落としたが、今回の方が余裕があり、いいレースだったのではないか。
また二大会連続の19秒台で、前戦とほとんどタイム差がないところにグリエフの走りの安定感を表しているように思う。
反対にブラウンはオスロの時より離されたが、それでも20秒0台と相変わらず調子がいい。
ちなみにこの後のオストラバではブラウンが20.05で勝利し、グリエフは20.09で3着、間に20.09でリチャーズが入っており、ここの三つ巴もなかなか見応えがある。
なお今期19.75をマークしていたガーディナーはコーナーを抜けたところで脚を痛めたのか失速して最下位。
グリエフにインから迫られたのが影響したのか分からないが、残念な結果に終わった。
〜了〜