ロンドン世界陸上 男子400m決勝
M400m F
1.ファンニーケルク 43.98
2.ガーディナー 44.41
3.ハロウン 44.48
4.テベ 44.66
5.アレン 44.88
6.ゲイ 45.04
7.カーリー 45.23
8.マクワラ DNS
ファンニーケルクが2連覇。
気温が低かったことと、200mの予算を挟んでいることも影響してか記録は狙わず勝利を優先したレースだったようだ。
しかし世界大会でファンニーケルクの今回のようなレース展開もあまり見れないだろうから個人的には満足した。
いつも通りどこを取っても無駄がなく効率的な走りを構築しながらも、今季は100mで9.94を出すほどの更なるスピードを手にしているだけにこの選手を崩すのは難しいだろう。
前半からとばしても抑えても周りの状況に応じて勝負できるポジションに位置しつつ最終的にはトップでゴールできる流れを自在に構築できるのに、そこに加えて突出した走力でギアチェンジも可能なわけだから。
ボルト、ルイス、ジョンソンのような見た目の迫力はないが、逆に言うとそれで誰も勝てない領域に淡々と君臨していることがおそろしい。
これまでに類を見ないハイテクスプリンターではないだろうか。
ぜひ200mとの二冠を達成してもらいたい。
準決勝で素晴らしい走りを見せたガーディナーは銀メダル。
決勝もいい走りだったが、外側にいるファンニーケルクの圧力を前方から感じたのか、準決勝ほど伸びやかな走りができなかった。
ファンニーケルクの圧力を感じた、という意味では大なり小なり全員が自身のレースを乱されたかもしれない。
特にカーリーとテベはレーンの影響もあって必要以上に終盤までに消耗してしまったのではないか。
そんな中、後方待機して最後は大きな走りで前を行く選手を次々と抜き去り、見事に銅メダルを獲得したハロウンはファンニーケルクに次いで自分のレースができたのではないかと思う。
そして、残念なのはマクワラの棄権。
食中毒?しかも世界陸上公式ホテルの食事で?
なかなか大舞台で力を出せず、能力と結果にここまで差がでる選手も珍しいなと思っていたが、今年は間違いなく大丈夫だと安心した矢先にまさかの形で戦線離脱。
大きなお世話だろうけども、メダルを取らせてあげたかったな。
あるいは意気揚々と走った上で大敗するならマクワラらしいな、で済むが今回は気の毒でならないな。
〜了〜
ロンドン世界陸上 男子100m準決勝・決勝
M100m sf
1組-0.5m
1.シンビン 10.05
2.ガトリン 10.09
3.メイテ 10.12
4.フォルテ 10.13
5.ダサオル 10.22
6.ケンブリッジ 10.25
7.謝 10.28
8.キム 10.40
シンビンは予選と打って変わって、スタートで素晴らしい飛び出しを見せてそのままの勢いで逃げ切った。
パワフルな走りながら腕振りのリラックス度合いからも自信にみなぎったレースだったのだろう。
そんなここ一番の集中力は素晴らしいが、ここまで走れるのに予選は死んだふりし過ぎだろ、と思うほどちょっと危なかった。
ガトリンはシンビンのスタートにやられたが、自身のスターもよくてその貯金を維持する動きは見事だった。
メイテは持ち前の追い込みでガトリンに迫ったが追いつくには序盤で離されすぎた。
レースプランは出来ていたが、その精度はスタートが得意な2人に先行されたことにより崩されたように思う。
フォルテも同様に先行されて硬くなった。気持ちが先走ったか動きが身体の通過を待たず、ブレーキのかかる走りとなってしまった。
予選で9秒台を出していただけに悔しいだろうな。
ケンブリッジ選手もここまで先行されると自身の走りするのは厳しい。
そして今季はパワーアップしたことと動きが噛み合わないままここまできたようにも見える。
しかしそんな中でもよく粘り、ダサオルとある程度戦えたことは昨年のオリンピック準決勝より収穫があったといえるかもしれない。
2組-0.2m
1.ブレイク 10.04
2.プレスコッド 10.05
3.蘇 10.10
4.ハーベイ 10.16
5.ベルチャー 10.20
6.マタディ 10.20
7.サニブラウン 10.28
8.ウィルソン 10.30
ブレイクは余裕を持って通過したが、この走りを予選で見たかっただろうか。
あるいは体力面に心配があるのか。
いずれにしても走力で他を圧倒しており、ジャマイカ選手権の時より動きは噛み合っていたように思う。
プレスコッドは予選よりもスタートはスムーズに出られただろうか。まるで105m地点をゴールと見据えているかのように加速面において余裕があり、大きな体から発するバネを活かした走りだった。
蘇は残り20mから結構崩れたがやはりスタートが抜けており、その貯金で逃げ切った。海外転戦している強みもあるだろうな。
サニブラウン選手はこの組のメンツを見て決勝に行くのではないかと思ったが、スタート後に躓いてしまってまさかの7位。
かなり体勢を崩していたので、あそこから立て直すのは無理だっただろう。
スタートで出遅れた上に上体が前方へ向かい過ぎたか進行方向に対して大きなロスを生んでいたように見えるので躓くまではいかなかったとしても厳しかったと思われる。
攻め過ぎたということか。
しかし、今後大きな期待ができる選手に違いはないし、その前に200mでやってくれるかもしれない。
3組+0.4m
1.コールマン 9.97
2.ボルト 9.98
3.ビコ 10.09
4.ウジャー 10.12
5.多田 10.22
6.バーンズ 10.27
7.フィッシャー 10.36
8.グリーン 10.64
コールマンは予選だけではその実力が判断できないと言ったが、何ら問題なかった。
そしてボルトが一緒でも物怖じしないメンタルを持ち合わせていることも証明したレースだった。
またこれだけスタートで圧倒しながらも終盤まで柔らかさがあり、全米時よりも更に進化したように見える。
ボルトは不安を残す通過。
後半流してはいるがコールマンも流しているだけにそれほど余裕はなかった。
中盤からは無理やり追い上げるような、走力頼り(というのは極端だが)のらしくない走りだった。
ビコは相変わらずセミファイナルにはしっかりと合わせてくる。
上位2人を脅かすことはないが、スタートで加速するための土台をしっかり作る丁寧さは群を抜いている。
対照的にウジャーは予選より力みまくって前傾してしまい、自身の走りを失ってしまった。
DLではいい走りを続けていただけにファイナル候補ではあったが、厳しい世界だな。
多田選手は日本選手の準決勝のレースの中では最もいい内容だったのではないだろうか。
おそらくほぼ自身のベストと遜色ない走りだったと思う。
結果的に走力に差があったためファイナルは遠かったが、この舞台で自分の走りをできたことが素晴らしい。ましてや昨年まで代表圏外だった選手がだ。
これからに期待したい。
M100m F-0.8m
1.ガトリン 9.92
2.コールマン 9.94
3.ボルト 9.95
4.ブレイク 9.99
5.メイテ 10.01
6.ビコ 10.08
7.プレスコッド 10.17
8.蘇 10.27
なかなか素晴らしいレースだった。
ガトリンが「元々得意だった中盤まで並んで終盤抜け出すレース展開に戻ってきた」言っていたのは強がりに聞こえると以前書いたが、今のボルトの状態もふくめて、このレースを予見していたかのような戦略とハマり具合だった。
勝因はブーイングに動じないメンタル同様、走りの安定感にあったように思う。
重心が一歩一歩の動きに全てしっかりと乗り続けたガトリンの地道な走りが勝利を手繰り寄せたのではないか。
ゴール手前は力んだようにも見えるが、うまく身体が動きを迎えに行くように合わせてゴールラインをスムーズに駆け抜けた。
タイムはコンディションや風もあってか良くはないが、内容はこれまでのガトリンの走りにはない見事なものだったのではないかと思う。
凄い走りだった。
コールマンは予選、準決勝と続いて見事なスタートを見せた。
ガツガツ前半から攻めているようだが、実は無駄を省くことに注力したことによる序盤の強さであり、そのことによって生まれる余力が後半の減速を最大限に抑えているのではないか。
それくらいに動きは柔らかく、余裕がある。
といってもさすがに残り10mは力んだ。
よく保ったと思うが、そのあたりの修正ができれば今後とんでもない選手になるかもしれない。
そしてボルト。
準決勝の走りから決勝は心配されたが、それでもなんとかするのではないかと思った。
しかしどうにもならなかった。
本人が言うようにスタートが上手くいかなかった。飛び出したところまでは良かったが、前に進むというよりかはやや下に力が向かってしまったのではないか。
そこからは強引に追い上げたもののスタートで加速の基盤ができていない上にあれだけ序盤で離されたら厳しい。
リアクションタイムがガトリン、コールマンを上回っていたとしてもおそらく結果は同じだったのではないだろうか。
しかしそのスタートの失敗をもたらしたのはケガによる準備不足などもあるかもしれないが、純粋な衰えなのかもしれない。
本人もこの状態を見越しての今季限りの引退宣言であったのではないか。
そして最後の勝負に負けた。
それでも迫力は健在で、この豪快さはどの選手にも出せるものではなく、最後まで魅了してくれた。
ボルトらしい散り方、といっても銅メダルは取ってるのだから最低限の仕事は果たしたのではないか。
リレーはジャマイカチームが予選でバトンミスしないことを祈るばかりだ。
ブレイクは準決勝のようなスムーズな動きができず、リズムが狂ったのか動きがバラついてしまった。
やはり世界大会までのレース数が少なすぎたのではないかと思うが、それだけ状態に不安があったのかもしれない。
それといまひとつ身体が絞れていない、あるいは大きくなりすぎたように見えるのも気になる。
偉大な選手なので、復活してほしいところ。
シンビンは準決勝同様に自身の強みを活かした走りだったがメダル争いには加われなかった。
しかしスター選手の陰には隠れてしまうものの、世界大会2大会連続で5位の安定感はなかなかのもの。
接戦の中でブレイクには敗れたが、乱れそうな動きを極力制御できる巧さは世界を転戦してきたタフさにもよるものだろうか。
ビコは常に決勝で力を発揮できないイメージがあるが、今持っている力は出し切ったのではないかと思う。
トップ5には離されつつも、プレスコッドと蘇を置き去りに出来る安定感はさすがだな。
ただメダルを狙うには前半もう少し前に出ていないと今後も厳しいだろうか。
プレスコッドは準決勝と同じようなレース展開を狙ったかもしれないが、決勝の舞台ではそのような追い上げは通用しなかった。
それでも地元大会で決勝に残る強さも含め、伸びしろを感じるだけに今後を期待させるものがある。
そして蘇は2大会連続のファイナル進出となったが、前回は9位だったため今回が初入賞となる。
得意のスタートでとんでもなく出遅れたが、心が折れることなく最後までよく走りきったと思う。
〜了〜
ロンドン世界陸上 男子100m予選
M100m予選
1組-0.1m
コールマン 10.01
ハーベイ 10.13
グリーン 10.21
マタディ 10.24
コールマンは絶好調。余裕を持ってゴールした。
が、上体の動きがやや硬く、動きがばらつく前に流したように見えなくもない。
走力は証明できたが、実力は次のラウンドで明らかになりそうだ。
ハーベイも最後流したが、そこまでの余裕は感じない。
前半でもう少し前へ出てないと準決勝は厳しいか。
2組-0.6m
サニブラウン 10.05
ブレイク 10.13
謝 10.13
バーンズ 10.22
正直9秒台が出たと思ったが、向かい風もあって残念ながら自己タイにとどまったサニブラウン選手。しかしなんという18歳か。
序盤の5歩くらいで自分のレースパターンに持ち込むのはいつも通りとしても、
このレベルの大会で中盤以降も乱れることなく走り切るのはお見事。
僅かに左右にぶれているかもしれないが、リラックスされていて上下動はなくスムーズに体を運んだ。
なんなら余裕すら感じる。
微調整を加えれば難なく決勝へ進むのではないだろうか。
ブレイクはどうしたのか。
力を温存したのかもしれないが、動きがバラついていてそこまでの余裕はなかったように思う。
いずれにしても4ラウンド制ならいざ知らず、いい通過の仕方だとは言えないだろう。
準決勝では本来の走りを期待したいところ。
謝は最後までよく粘ったがサニブラウン選手に先行されて中盤以降は乱れたか。
しかしパワフルな選手だ。
3組±0m
フォルテ 9.99
メイテ 10.02
プレスコット 10.03
シンビン 10.15
ウィルソン 10.24
自身の走りをしっかりと貫いたフォルテが予選最高タイムで通過。
中盤で並んでからが強い選手という印象。
メイテはスタートで少し態勢を崩しただろうか?
それでも2着に入る走力はさすが。
調子もよさそうだが、準決勝以降の走りを見据えて最後は流さない方がよかったかもしれない。
プレスコットはノソっと起き上がるようなスタートでロスしているようにも見えるが、全身にバネがあり、そこを最大限に生かした走り。
決勝進出ラインはこの選手あたりが目安となるのではないか。
シンビンはピーキングに失敗したのか精彩を欠いた。
4組-0.2m
蘇 10.03
ウジャー 10.07
ベルチャー 10.13
ケンブリッジ 10.21
蘇は相変わらずの好スタートで主導権を握り、そのまま走り切った。
さすがよく勝負どころをわかっているというか、大舞台にピークを合わせるのが上手い。
上体に力は力が入っているようにも見えるが、接地は正確でいてなんと軽やかなことか。
今季好調のウジャーも無事に通過したが、蘇の走りに圧力を感じたのかスタートの出来の割に上体はやや前のめりになってしまい全体的にスムーズでなかったように思う。
ベルチャーは全米の決勝と同様に後半追い上げる展開。
ただ予選から前半でここまで離されているようだと決勝は厳しいかもしれない。
ケンブリッジ選手は上位2選手に挟まれ、スタートで出られてしまっただけに厳しい展開となった。
ただ昨年の五輪の予選では厳しい組ながら素晴らしい走りをしていただけに心配になる結果。
調子は悪くないかもしれないが、動きが噛み合っていないように見える。
どこまで修正できるか。
5組 +0.9m
ガトリン 10.05
フィッシャー 10.19
キム10.24
ガトリンはさすが大ベテランといった走り。
最後は余裕を持って流しているが、レースの流れ自体はしっかりと構築出来ていて、ブレイクとは対照的にいいラウンドの進め方だったと思う。
心配なのは体力面か。
6組+0.3m
ボルト 10.07
ダサオル 10.13
ビコ 10.15
多田 10.19
ボルトは毎度のことながらしっかりと合わせ、段違いの走力を見せた。
やはり一歩のスケールが大きい。
これだけのパワーを高速の動きの中で制御しもって、正確に地面に伝えることができるのだから改めて凄いと思わせるレースだった。
準決勝・決勝ではさらにピンポイントで仕上げてくるだろうな。
ダサオルは最後まで粘って2着通過。
多少競っても中間までに獲得したスピードを維持し、押し切るだけの走力・パワーは健在。
ビコは相変わらず不安定な通過をするが、いつものことなので準決勝は一気に上げてくるのではないかと思われる。
多田選手は見事に予選通過。
やはりこの選手は本人も言うようにスタートの鋭さはさることながら、中間の押しの強さが一番の魅力かもしれない。
後半は流石に力んで上体が後傾してしまいブレーキがかかったが、そのあたりをどこまで修正できるか。
それにしても日本選手の全員が予選通過は凄いですね。
準決勝、そして決勝が楽しみです。
~了~
世界陸上2017 男子短距離予想
男子100m
優勝候補をざっとあげるなら
ボルト
ディグラス
ガトリン
ブレイク
コールマン
そこから上位3人を予想するなら以下の順位。
1ボルト
2ブレイク
3ディグラス
まずボルトは北京五輪で優勝して以降、最も調子が悪い(あるいは衰えを感じさせる)シーズンだと思うが、やはり合わせてくるだろう。
おそらく9秒8台前半で勝つのではないだろうか。できれば9.75以内のレースを期待したいが。
ブレイクはジャマイカ選手権以降はレースに出ていないようなので悩むところだが、同選手権では走りがまだ安定していないにも関わらず上手くまとめ、またそれを支える走力が他の選手よりも抜けていると思うので2位予想。
またボルトに勝つとしたらこの選手ではないかと思う。
3位も悩むところだが追い風参考ながら9.69をマークしたレースの内容が素晴らしかったこと、本番での勝負強さ、また若さから考えてディグラスがくると予想。
ガトリンは1〜3位までのどこに入ってもおかしくないので、外すのももったいない気がするが全米を制したレースから大幅に調子を上げられるのかが疑問なのでメダル予想からは除外。
「中盤までは競って終盤抜け出す、そんな自分らしいレースを取り戻しつつある」てな発言をしていたが、やや強がりな気もする。
しかし今季の不調はボルト対策で本番一発にかけるためのシーズンを通しての戦略なのかもしれないが。
コールマンはそのガトリンに全米で敗れたため外したが、アメリカの若手選手が世界大会で開花することも多々あるので期待できる存在ではある。
次点グループとして
シンビン
メイテ
ウジャー
ビコ
あたりが挙げられるがこの辺りはファイナルがラインとなり、運が良ければメダルも、といったとこだろうと予測。
日本選手ではサニブラウン選手にも大きな可能性がある。日本選手権以上の走りができればファイナルもかなり高確率で狙えるのではないか。
とんでもないことを成し遂げそうな気配もあるんだな。
多田選手とケンブリッジ選手はまず準決勝に進んでほしいところ。
200m
1位 ファンニーケルク
2位 ディグラス
3位 ブレイク
ファンニーケルクの優勝は期待も込めてだが、キャリアから考えると疑問符がつく。
とはいえ、100mでも9.94を出していることからショートスプリント勢に負けないスピードはある上で、ロングをまとめるテクニックも有するだけに期待は大きい。
競技スケジュールが最大の敵となるかもしれないが。
ディグラスは100m同様に本番に合わせてくると予想。なんなら優勝候補筆頭としてもおかしくはないのだが。
ブレイクも100mの理屈でいくなら優勝もありえるが、200mはそこまで仕上げられないのではないかと推測。
そして、久々に2種目で世界大会に出る体力面にも不安要素があるため3位予想とした。
他には グリエフがメダル争いに加わるかもしれない。
マクワラはタイムはいいが、400m後にそこまでの余力はないのではないかと思う。
日本選手はサニブラウン選手に決勝進出の期待がかかるが、100mがどのような結果になるかも影響するだろうな。
また体力面も不安要素か。
飯塚選手は準決勝が目安となると思うが、まずは上位で余裕をもって予選を通過してほしいところ。
400m
1位 ファンニーケルク
2位 カーリー
3位 マクワラ
200mに出るなら予選との兼ね合いが不安材料だが、実力はやはり抜き出ている。
マイケル・ジョンソンのようなしたたかさもあれば余裕をもって優勝できるのではないかと思う。
カーリーは未知数な部分も多いが、アベレージの高さから考えても本物だろう。
マクワラは本番に弱い印象もあるが、やはり今季の内容が優れていることと、メダルを取らせてあげたいという個人的な感情も入って3位と予想。
というわけで、大雑把な予想でしたが、
いよいよ始まるんですね。
時間があれば珍しくリアルタイムで更新していきたいと思います。
追記
なんと、ディグラスが棄権とのこと。
これは残念。
なので予想修正版です
100m
1ボルト
2ブレイク
3ガトリン
メダル争いはコールマンがきそうな気もする。
200m
1ファンニーケルク
2ブレイク
3グリエフ
グリエフは結構冒険的な予想かもしれないが。
そして、ブレイクも棄権しないだろうな、という不安は正直ありますが。
〜了〜
ボルトの状態について
ロンドン世界陸上で引退を表明しているボルト。
今季は自国のレースで優勝し、先日のオストラバで行われたレースでも10.06で優勝したが、調子はどうなのだろうか。
世界陸上は勝てるのか。
単純に考えるなら状態は悪い。
私は世界大会における予想において、ボルトの不調ぶりから本番に間に合わすことができないだろうと予測して何度か優勝候補から外したが、それでも勝ってきた。
ただ今年はそれよりも遥かに調子が悪い印象を受ける。
オストラバのレースではキューバのペレスに先行されるも、中盤から僅かに抜き返して後はそのままの距離をキープして勝つという展開だった。
ペレスは今季好調で後日行われたDLストックホルムでは9.99で優勝したメイテに続き10.05の自己新で2着に入っている選手。
そのあたりからも推定すると9.9台中盤〜後半では走れる状態にはあると思うが、まだ無理をせずに無難なレースをしたために10.0台に留まっているのだろう。
おそらく世界陸上では9.8台がいいところで、7台は厳しいのではないかと思うがどうなのだろうか。
正直勝てるかどうかは対抗馬次第といったところではないかと思う。
ガトリンも今季不調だが、全米では今季最高をマークしているコールマンに勝って優勝する勝負強さを見せた。
ただこれまでの対戦成績から考えても一昨年以上に好調でないとボルトに勝つのは難しいだろう。
となるとやはり追い風参考ながら9.69で走ったディグラスの方が勝つ可能性はありそうだ。
9.69のレースは残り20mあたりからの突き放し方が特に凄まじく、キレ味から考えても勝機はあると思う。
が、今のところそこまで驚異的な選手はいないので、結果的にボルトは優勝ラインには来ると思う。
そのラインから脱落するとしたらケガなどレース以前の問題に依るものだろう。
いずれにしてもドラマチックな結果がスーパースターとして走り続けたボルトには待っているのではないかと思う。
具体的な予想はまた改めて。
多分。。
〜了〜
日本選手権100m・200m決勝
まず結果
+0.6m
サニブラウン 10.05
多田 10.16
ケンブリッジ 10.18
桐生 10.26
川上 10.38
山懸 10.39
高橋 10.43
九鬼 10.45
サニブラウン選手は決勝でも次元の違いを見せつけた。
もう昨年までのジュニアとしての世界トップではなく、シニアの世界においてもトップスプリンターの仲間入りを果たしたといえるかもしれない。
スタート2歩目で躓いたというが、その2〜3目で勝負は決していたと思う。
それくらいに一歩一歩の推進力に差がある。
そしてその力を地面に伝えるにあたり、余計な力が加わっていない。
身体も大きくなり体幹も鍛えられたことが大きいのだと思うが、そこに持ち前の接地の巧さや正確性が融合されて、他を圧倒するダイナミックさはあっても全体的にゆとりがある。
世界陸上での決勝進出はありえるのではないか。
タイムもいずれは9秒8台以内に到達する可能性もあると思う。
大会前はサニブラウン選手の優勝を予想できなかったが、多田選手の結果も想像以上だった。
決勝は思ったほど先行できなかったようだが、それでも3位以下の選手にはリードを奪った。
他の有力選手が自滅した要素もあると思うが、簡単に言うなら最初から最後まで自分のリズムでしっかり走りきれた、という印象。
要は粘り強さも備えているということか。
先行されようが並ばれようがあまり影響を受けない。いや、影響を受けてはいるが大幅に崩れることのないいい意味での強引さがある。
アダム・ジェミリのバチバチ殴り合うかのような走りとでもいうのか。
ケンブリッジ選手はいつも以上にスタートから身体が起き上がるのが早い気がした。
そのためか上手くトップスピードにのれず、予選、準決勝に比べてキレがなかったが、それでも上手く立て直して代表権は獲得した。
一気に復調はしてきたが3本揃えるほどの余力はまだなかったのかもしれない。
桐生選手は全体的に動きが小さくなってしまい、接地時に身体が乗り込んでいなかった印象。
ピークが早すぎた、レースに出過ぎた、などの意見も聞かれるが予選、準決の走りから調子自体は悪くなかったように見える。実際はどうなんだろうか。
どちらかというと4位に入ったことよりこの舞台で自分のレースから大きく遠のいてしまったことの方がショックなのかもしれない。
しかしリレーメンバーに選ばれたことは大きくプラスになるのではないか。
山懸選手はやはり勝負できなかった。
本人も言っていたと思うが、身体が動きについていかなかったように見える。
結果、動きもぎこちないものになってしまったと思うが、悪い状態からよくまとめてきた方なのかもしれない。
それにしてもすごいレベルの争いだった。
サニブラウン選手が飛び抜けてはいたが、これだけ有力選手が揃うこと自体がまずないように思う。
200m +0.3m
サニブラウン 20.32
藤光 20.47
飯塚 20.55
原 20.77
諏訪 20.83
山下 20.77
田中 20.90
高瀬 20.99
こちらも100mの結果から考えてサニブラウン選手の勝利は決定的だった。
前半で貯金を作るとあとは逃げ切るのみ。
疲れからか多少身体がブレてはいたが、大きな腕振りでゴールを手繰り寄せるようにして減速を最小限に抑え、見事に走りきった。
前半でリード出来れば走力から考えても抜かれることはない、そんな余裕があったのではないだろうか。
さらに昨年までと比較してフィジカルが鍛えられ、技術もレベルアップしているのだから、言い方は悪いが他の選手から見たら絶望的な強さだな。
こうなると200mにおいても世界陸上での決勝進出に期待がかかる。
まだ厳しいかもしれないが、本人が言うようにトップスプリンターに引っ張られると一気に19秒台に到達しそうな気配はあるんだよな。
少なくとも20.1台前半は現時点でも出せるのではないか。
藤光選手は標準まであと一歩と惜しかったが、予選同様に自分の走りができたのでないか。
絶好調時に比べるとややパワーレスにも見えるが動きは相変わらずスムーズで無駄がない。
あれだけサニブラウン選手に圧倒されても動じずに冷静に動きを制御し走りきるあたりはさすが大ベテラン。
飯塚選手は今季100mでベストを出していただけに期待していたが後半思ったより伸びがなかった。
前半はまずまずだったがそこから上手くスピードにのらず、無理をせず3着を確保したという印象。
200mとしてはそこまで仕上がっていなかったということか。
しなし予選でしっかり標準を突破してくるあたりは見事。
そういや桐生選手は結局200mに出なかったんですね。
結果論ですが間に200mを挟んでおけば100mにおいてまた違う結果が出ていたかもしれない。・・いや、それはないか。
サニブラウン選手はよく両種目こなしましたか、200m予選と100m決勝の間隔が短すぎるんですよね。
〜了〜
〜了〜
日本選手権 100m予選&準決勝
これは大きく予想を外しそうですね。
予選、準決勝をざっと振り返って。
サニブラウン選手
今季0台は出すだろうと思っていたが、このタイミングで到達するとは。
しかも二本続けてで、まだ余裕もある。
そして何より驚いたのはその内容。
はっきり言って次元が違う。
準決勝は多田選手と僅差だったが、一歩一歩のスケールと正確性が違う。
また非常にリラックスしており、上体の動きを比較しても一目瞭然でどちらが安定して、スピードをものにしているかがわかる。
多田選手
とはいうものの、絶好調で動きもキレキレ。ここまで序盤先行できるとは思わなかった。
決勝はスタートを意識しすぎて力まなければいいが、接地タイミングが予算よりもハマれば代表入りできるかもしれない。
いずれにしても序盤の流れを作るのはこの選手だろう。
ケンブリッジ選手
こちらもキレまくっている。
ここまで一気に仕上げてくるとは。
また予選、準決勝で自身のレース展開を確認でき、自身も深めただろう。
力むことはなさそうだか、サニブラウン選手が迫ってきた時にどうか。
できるだけ先行して貯金がほしいところ。
桐生選手
こちらは調子を落としたわけではないが、今ひとつシャープさにかける。
準決勝はスタートでケンブリッジ選手に先行できなかった時点で厳しかった。
決勝はスタートが勝負になるだろうが、こうなると今季フライングで失格となったことも影響しそうだな。
厳しい戦いになりそうだが、殻を破れるかどうか。
山懸
こちらは更に厳しい。
やはりブランクは大きすぎたか。
どこまで修正できるか。
決勝はレース詳細も書く予定です。
〜了〜