塚原選手が引退
少し前のネタになりますが、これは寂しいニュース。
どこかで復活を期待していましたので残念です。
しかし、2010年以降は辞退も含めて代表入りできていませんでしたし、怪我や年齢のことを考えればよく今シーズンまで戦ってきたというべきか。
なんといっても北京五輪のリレーでのメダル獲得が一番に取り上げられますが、個人でも素晴らしい結果を残しています。
07 大阪世界陸上2次予選敗退
08 北京五輪準決勝7着
09 ベルリン世界陸上準決勝8着
ベルリンの準決勝を除けばどのレースも自分の走り、あるいはそれに近い走りができていたのではないでしょうか。
所謂本番に強いタイプ。
その勝負強さがリレーの1走として生き、どのレースも有利な流れを作ることに貢献したのだと思います(ベルリン世界陸上は2走でしたが)。
世界大会以外では2009年の大阪グランプリで優勝したレースが印象的です。
これは更に世界に近づけるな、と思ったそのレースを境に下降していったように思います。実績としては。
またキャラもありましたね。
単純に表現するならスプリンターらしいスプリンター。
強気で攻める姿勢。
しかし走りには繊細なものも感じ、それも良かったですね。
引退した100m選手の中では吉岡氏、飯島氏、朝原氏、伊東氏らレジェンドに並ぶ名スプリンター。
長い間お疲れ様でした。
〜了〜
2016年T&F 勝手にMVP
【海外編】
男子
短距離
ファン・ニーケルク。
今年のオリンピックにおいて、三冠を達成したボルトよりも世界新で優勝したことの方が上でしょうか。
マイケル・ジョンソンの保持していた記録水準及び400決勝レースのレベルの高さも考慮してのもの。
全種目
ファン・ニーケルク
他にはファラーも考えれられますが、こちらもボルトとの比較と同様の理由からファン・ニーケルクを推します。
女子
短距離
エレイン・トンプソン
オリンピック400mでフェリックスを破って優勝したミラーが次点でしょうか。
全種目
アヤナ
オリンピックでは5000mで負けましたが、10000mの世界新が凄すぎた。
【国内編】
男子
短距離
山縣選手
ケンブリッジ選手でもいいのですが、オリンピック準決勝のレース内容と全日本実業団の結果を考えて。
全種目
澤野選手
個人種目でのオリンピック入賞を評価して。
ロードも込みなら荒井選手ですが。
女子
短距離
福島選手
日本新も出しましたし、やはり日本スプリント界では抜け出ています。
全種目
上原選手
正直パッと思いつく選手がいなかったが、オリンピック5000mで決勝進出したので。
結構ベタな選出になりましたかね。
〜了〜
ケンブリッジ選手がプロ転向
9秒台を出したら1億円なんて記事も出てた所属企業を辞めてプロ転向するのだとか。
プロとして成功する可能性はあると思いますが、現時点での実績でいうと層の厚い100mにおいてはまだ世界的に認められる位置ではないでしょうか。
ただ、オリンピック100mの予選とリレー決勝のインパクトは凄かったですし、スター性もあるのでこのタイミングでの決断はベストなのかもしれません。
また海外に拠点を置く可能性もあるようなので、海外レースへの参戦は楽しみですね。
〜了〜
サニブラウン選手がフロリダ大学に進学
前から噂はありましたが、本当に行くんですね。
個人的には海外の試合に出場していく選手は好きですが、全ての選手がそこを目指すべきだとは思いません。
国内でしっかり調整して世界大会で結果を残すタイプの選手もいるわけですから一概にどちらがいいとは言えません。
ましてや海外に拠点を置くとなると尚更でしょう。
現にアメリカなどに拠点を移して競技結果自体には結びつかなかった選手もいるわけですから。
ただ、サニブラウン選手はやはり国外へ出て行くべきなのでしょう。
それだけスケールのある選手であり、目指すところの到達点を考えれば必然的なことなのかもしれません。
うまく行くかどうかはこれからですが、これまでになかった新たな道を築くのではないでしょうか。
そして、何より楽しみなのは全米学生に参戦できるということ。
これはある種、世界大会や海外グランプリレースに匹敵する楽しみがあります。
まあ、時期的に日本選手権と被るかもしれませんが。
いずれにせよ、今後の大活躍を期待したいです。
〜了〜
全日本実業団2016
すっかりオフモードになり、また空いてしまいました。
M100m +0.5m
山縣 10.03
ケンブリッジ 10.15
馬場 10.38
草野 10.45
猶木 10.49
九鬼 10.54
安孫子 10.60
高瀬 10.66
オリンピックで好成績を残した2人が登場。
しかし今回は山縣選手が自己新でケンブリッジ選手を圧倒した。
乗っているとはいえ、疲れもあるだろうこの時期での03は凄い。
しかもこの日3本目のレースで風もいい訳ではない。
追い風2mに近い状況で9秒を出すよりもこういった状況で0台を連発することの方が価値があると思うが、実際に山縣選手だけが追い風1m未満で複数回0台をマークしているんだな。
そしてリアクションタイムは0.107秒だとか。
本当に安定している。
スムーズに加速できる角度で飛び出しながらも上体は起こしてくる際に無理がない位置にある。
山縣選手にとってベストのポジショニングなのだろう。
ガンガン攻める爆発的なスタートというよりかは一歩一歩の動きの中で無駄を排除することでスムーズに加速するという印象。
そしてその勢いをゴールまで殺さずに運ぶ。
そんな淡々とした作業に見える。
まさに職人的な技術。
その技術の安定が記録を含む結果の安定となっているのだろう。
ケンブリッジ選手は調整不足だろうか。
オリンピックの準決勝と同様に序盤であれだけ離されるとさすがに厳しく、完全に主導権を奪われた。
それでも安定して1台を連発するあたりはさすが。
国体では立て直す可能性もあるのではないかと思う。
高瀬選手は動きの割に身体が前に進まないな、と思っていたらスパイクではなくアップシューズだったのだとか。
それで66は結構凄いな。
M200m ±0m
飯塚 20.57
藤光 20.67
猶木 20.81
高瀬 20.96
田村 21.05
土手 21.21
小林 21.30
安孫子 21.33
飯塚選手は疲れはあったものの安定して動けていただろうか。
アウトレーンというのも良かったのか、コンパクトにまとめながらも可動域は広く、全体的に余裕を感じた。
桐生選手が来年は200mへの参戦を表明しているし、今後は序盤のスピードが求められると思うが。
藤光選手はだいぶ調子が戻ってきたが、上半身と下半身の動きがうまく噛み合わなかった印象。
高瀬選手はオリンピック同様に前半で動きが止まってしまった。
やはり2人とも今季は故障の影響が大きかったのだろう。
そんな中、猶木選手が前半の貯金を活かして3位に食い込んだ。
原選手も出てれば更に面白くなったのだが。
〜了〜
DLブリュッセル
M200m +0.8m
フォルテ 19.97
ジェミリ 19.97
マルティナ 19.98
ルメートル 20.16
グリエフ20.21
エドワード 20.23
タルボット 20.26
ジェミリが勝つかと思ったが、フォルテが僅差で勝利をものにした。
ほぼ互角のレースだったと思うが前半の貯金をしっかりと守りきったフォルテが一枚上手だった。
コーナーやラストの競り合いなど崩れそうな局面でも動きを制御できるフィジカルの強さを感じ、自身もその強みを意識しているのではないだろうか。
オリンピックに出ていたらメダルをとっていたかもしれない。
ジェミリは終盤の上下動でバラつき、失速。
しかしそれでも追い込んでいくのがジェミリらしい魅力であり、久々にそういった荒い一面を見た気もする。
まあ疲れもあっただろう。
マルティナはオリピック直後がピーク、そして今はそこから下降線を辿っているのだと思うが、それでも19秒台を出してくるしぶとさはさすが。
先日の自己ベストをマークしたレースと比べると僅かに回転で劣ったか。
ルメートルは完全にオリピックがピークだった。
いや、オリンピックあの決勝レースの20秒間がピークだったというべきが。
それ位に繊細な調整に成功したのかもしれない。
この後のデカネーションもまずまずの記録を出しているので悪い結果ではないが。
エドワードは身体が動きに全くついていかなかった印象。
それでも見事ツアーチャンピオンの座を獲得したが、いかにシーズンを通して力を発揮するのが難しいかが分かる。
M400m
サントス 45.02
J.ボルリー 45.55
D.ボルリー 45.61
K.ボルリー 45.67
やはりこの中ではサントスの実力が抜けていた。
冷静に後方待機しながらスピードを維持。
そのまま流れを殺さずに徐々に上げていき、最後は周りが脱落したこともあって圧勝した。
オリンピックでは準決勝で敗退してしまったがまたトップクラスに返り咲くことが出来る選手だと思う。
そして地元のボルリー三兄弟が2〜4位を独占。
ジョナサンはやや前傾、ケビンはややや後傾、ディランはその中間、てなざっくりとした印象を受けたが見た目だけではなく走りもほんとによく似てるな。
W100m +0.6m
トンプソン 10.72
シパーズ 10.97
今回トンプソンの圧勝。
推進力が凄まじく脚が前へ前へと投げ出され、身体がそれに追いつかないのではないかとすら思えるが、上体でうまく拾っていくというのか、接地タイミングに身体を綺麗に乗せていっている。
またそれらのバランスをとって支える骨盤も相当強いのではないか。
記録は72だが内容的には6台でもいいような素晴らしい走りだった。
マリオン・ジョーンズの記録は破ってほしい。
シパーズはオリンピック後もある程度調子を維持していたが、この走りをされては勝負にならなかった。
W400m
セメーニャ50.40
オコロ50.51
マクファーソン 50.51
ジャクソン 50.73
ヘイスティングス 50.84
セメーニャが専門外で勝利。
余裕があったわけではないと思うが練習の延長線上のような走りで勝った。
序盤は一見スピードに乗っていないようにもみえるし、実際スムーズな流れを構築しているとは言い難いと思うが、軸が全くブレない強さがあり、そのパワーで惜しかった印象。
ミラーやフェリックスとの戦いが見てみたい。
これで今季DLは全て終了。
最も印象に残ったのはやはり100mハードルのハリソン。
ほぼ全てが素晴らしいレースだった。
男子は誰だろう。
新鮮度でいえばマクレオドだが、連覇のインパクトも考えるとラビレニかな。
〜了〜
デカネーション2016
桐生選手が100mに出場。
向かい風1.9mの中10.35で2位。
優勝はパウエルで10.20という結果だった。
桐生選手は好調を維持。
ほんの僅かに起き上がるのが早かったような気もするが、中間まではまずまずの走りで加速した。
ただその時点でパウエルに大きく先行されており、後半は力んだのか上体がやや前のめりになり、脚の動きとズレが生じたのではないだろうか。
しかしそんな中でもよく走れたと思う。
内容的には日本インカレの走りに少し劣る程度なのでは。
オリンピック前に同じレースに出ていたら10.4はかかっていたかもしれない。
昨年の9.87wは別格としても着実に海外でのレースにおいてもステップアップしている。
これから海外レース経験を積むことでより感覚が磨かれ、どこかで自身の爆発的な野性味を発揮できる時がくることを期待したい。
しかしそんな桐生選手を置き去りにするパウエルはさすが。
今年は個人で代表を逃したとはいえやはりやはり元世界記録保持者であり、9秒台を100回近く記録した男であり、今季DLのチャンピオン。
その風格は健在で他を圧倒した。
もう引退も近いなら、日本のレースに出てくれないだろうか。
〜了〜